ハーブとは、人の暮らしに役立つ植物のことです。
薬草として、料理の薬味として、またポプリや入浴剤など香りを楽しむ香草として、さまざまな楽しみ方ができるのがハーブです。
使い方を考えて、育てたいハーブを選んでみましょう。
今回は、たくさんあるハーブのなかでも、オススメのハーブを5つご紹介します。
タネはスパイスとして料理や酒の香りづけに「アニス」
葉の香りは淡く、タネに強い香りと甘みがあります。
タネは、アニスシードというスパイスとして、料理の香りづけに利用されています。
別名はコモンアニスで、フェンネルに似たセリ科のハーブで、1年草となります。
育て方ですが、日当たりのより乾燥した場所と、水はけがよく肥沃な土を好みます。
移植を嫌うので直まきにし、適宜、間引いてよい株を残します。
根はまっすぐに伸びるので、コンテナ植えの場合は、深めの容器を選びましょう。
真夏の乾燥が苦手なので、水切れしないように注意します。
春に、タネまきで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
苗は、徒長していないしっかりしたものを選びましょう。
利用法ですが、香りが淡い葉はサラダや料理に、タネは乾燥させてスパイスに使用します。
小さな星型の花は、サラダにも利用できます。
ハーブティーは、去痰・咳止め、消化促進などに効果があります。
猫の大好物、ハッカの香りが爽やか「キャットニップ」
葉や茎に、猫をひきつける香りがあり、似たものにキャットミントがあります。
別名はキャットネップで、和名はイヌハッカ、シソ科の多年草となります。
発汗・鎮静、鎮痛作用があり、ハーブティーは、風邪や不眠解消に効果があるといわれています。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく肥沃で、湿り気のある土を好みます。
大きな株に育つので、コンテナ植えの場合は乾燥に注意して、特に生長期には、水が切れないように管理します。
春か秋に、タネまき・株分け、挿し木(茎)で殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
猫に荒らされないために、周囲をトゲのある植物で囲むとよいでしょう。
利用法ですが、乾燥させた花穂と葉は、風邪や不眠、子どもの腹痛に効果のあるハーブティーとして利用されます。
他の植物や野菜の間に植えておくと、甲虫類の害を防ぎます。
ポプリ入りのぬいぐるみは、猫が喜びます。
葉は蕾のつく頃に枝ごと収穫し、ポプリやティーに。
苗を庭植えにする場合は、猫に注意が必要です。
とがった長いギザギザの葉が特徴「ジプシーワート」
布を黒色に染める染料として使用されてきたハーブです。
別名はエジプシアンズハーブで、和名はセイヨウシロネ、シソ科の多年草となります。
鎮静・強心、収れん・血止めなどに効果があります。
香りはほとんどなく、飲食用に利用することはありません。
晩夏に花は、葉のつけ根に小さな白い花が茎を囲むように咲きます。
育て方ですが、元々、湿った牧草地や水辺の土手に自生しているので、半日かげになる湿った場所と、保水性のよい肥沃な土を好みます。
春か秋にタネまき、春から秋に株分け・挿し木で殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
また、地下茎からも繁殖するので、場所・環境が合えば大繁殖します。
利用法ですが、このハーブからは黒色の染料が採れます。
昔、ジプシーの占い師が、この黒い染料を肌に塗ってエジプト人になりすましたことから、ジプシーワートの名があるといわれています。
ナチュラルな洗剤として使われてきた「ソープワート」
全草に、サポニンという成分が含まれるため、葉などを揉むと石けんのように泡立ち、古くから自然の洗剤として利用されています。
別名はサポナリアで、和名はサボンソウ、ナデシコ科の多年草となります。
花は、夏から秋にかけて、可憐なピンク色の花が咲きます。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく湿り気のある肥沃な土を好みます。
どちらかというと、中性からアルカリ性の土が適しています。
繁殖力が旺盛で、よく根を張り大きな株になり、育ちすぎるほどです。
コンテナ植えの場合は、深めの容器を選びましょう。
春にタネまき、春か秋に株分け・根伏せで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
苗は生育旺盛なので、植えつけは株間を広くあけます。
利用法ですが、葉・茎・根はサポニンを含み、水に浸すと泡立ちます。
30分ほど煮出した液を、石けんやシャンプー代わりに使用します。
根には有毒な成分も含まれているので、子どもなどが飲み込まないように注意してください。
暑い夏によく似合う鮮やかな花が魅力「ハイビスカスローゼル」
南国の花として有名なハイビスカスの仲間です。
別名はローゼル、ロゼリンソウで、アオイ科の1年草となります。
本種は、花や実をハーブティーの原料として利用するもので、ハイビスカスに比べると花が小さく、一般に出回ることも少ないようですが、種苗メーカーのカタログなどで手に入ります。
一重の5弁の花は、観賞用としても人気が高いです。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく肥沃な土を好みます。
庭植えは、関東地方以西の暖かい地域で可能です。
コンテナ植えの場合は、植えつける土に元肥として有機質肥料を混ぜ込み、生長期の4~9月には、一か月おきに追肥を施します。
よく日に当てて、水切れしないように管理することが大切ですが、冬は室内に入れて窓ガラス越しの日に当て、水やりは控えめにします。
春か秋に、挿し木で殖やします。
苗は、節と節の間のつまった、がっしりしたものを選びます。
利用法ですが、蕾や実を乾燥させてハーブティーにすると、ビタミンCたっぷりの鮮やかな赤色の飲み物になります。
赤みを帯びた若葉も、サラダの彩りなどにして食べることができます。
実を、酸味のあるソースとして使うことも可能です。
まとめ
いかがでしたか。
まずは、お庭の片隅やベランダのちょっとしたスペースにハーブの苗をいくつか植えてみませんか。
ハーブはとても丈夫で、すくすく育ち、いい香りがいっぱいに広がりますよ。