皆さんは「マット上のチェス」と呼ばれているスポーツをご存知ですか。
そのスポーツの名は「ブラジリアン柔術」。
身体的な能力は勿論ですが、テクニックの重要性がかなり高い格闘技です。
寝技が中心の格闘技ですので、初心者でも比較的安全にスパーリングをすることが可能です。
そこで今回は、この「ブラジリアン柔術」をご紹介します。
ブラジリアン柔術の「概要」
日本では「グレイシー柔術」として話題になった、関節技・絞め技を用いた寝技主体の実践格闘技です。
柔術競技、バーリトゥード、護身術を3つの柱にしているブラジリアン柔術。
基本的に稽古は柔術競技を中心に行われ、バーリトゥードは総合格闘技のような感じで、護身術は立ち姿勢での不意討ちができるなどユニークです。
一般的な柔道と「どこが違うのか」
一般的に柔道は、投げがきれいに決まれば一本として勝敗が付きますが、ブラジリアン柔術は投げられても決まらず、この状態からの攻防になります。
攻防は寝技になるため、体格差があってもできることや技をかけやすいなど、テコの原理を使った駆け引きが面白いです。
柔道の投げ技は、体格差があれば不利になりますが、ブラジリアン柔術では自分の足で相手の腕をコントロールすることや、右足と左足を使い相手の片足を挟むことで、体格差を跳ね返すことが可能です。
最近では、テクニックが増え続けており、オリジナルの技を編み出すこともでき、黒帯の先生でも練習して新しい技術を習得しようとしています。
また、YouTubeでもオリジナルの技が紹介されていて、参考にすると新たな発見ができ興味深いものです。
なぜ、柔道よりも「選ばれる」のか
ブラジリアン柔術は格闘技ではあるものの、痛くなくてダメージを受けずに済み、怪我をするリスクを回避できます。
また、チェスのように色々と考える楽しさがあり、相手の技に対する駆け引きをするためには理論的な思考が必要です。
そして、慣れれば力を使わずに練習でき、適度な疲労感があり、楽しみながら体を鍛えることができます。
このため、格闘技の初心者や運動経験が少ないならブラジリアン柔術から始め、自分自身を強くすると今後の人生につながります。
以上のように、格闘技に似たスポーツであり、自分自身で考えて選択肢を増やせるため、強くなることに憧れていれば、やって損はないものです。
「勝敗」の決定方法
ブラジリアン柔術の勝敗の決定は以下の通りで、サブミッション、怪我などによる棄権、重大反則行為による失格、ポイント、アドバンテージ、ネガティブ、レフェリー判定の7つになります。
また、時間内に勝負が付かなかった場合はポイント数で判断され、同数ならアドバンテージまたはネガティブの少ないほうが勝利する仕組みです。
ポジティブポイントは技に持ち込むことが認められれば発生し、バックコントロール、マウント、バスガード、ニーオンベリー、スイープ、テイクダウンの6つがあります。
逆に、ネガティブポイントは相手と組むことを避けたり、妨害して時間稼ぎをする行為です。
即座に失格となる「非常に重大な反則」としては、サブミッションが仕掛けられた状態で意図的に場外に出ること、噛みつき、サミング、髪を引っ張る、打撃行為、急所攻撃、指先で鼻孔に攻撃、常識や道徳的に反する行為や言動があります。
4度目の警告で失格となる「重大な反則」は、相手の道衣をつかまず膝やお尻を突くこと、膠着を誘発すること、相手の道衣の袖口や裾口の中に指を入れること、道衣をつかまず拳でチョークを掛けることです。
そのほか「禁止行為」も個別に定められ、基本的に常識では考えられないものになっています。
「年齢カテゴリー」と「試合時間」
年齢カテゴリーは4歳から56歳以上までと幅広く、ピーウィー、ジュニア、ティーン、ジュブナイル、アダルト、マスターがあります。
階級は柔道と同じく体重別に設定され、57.5キロ以下はルースター級、100.6キロ以上はウルトラヘビー級、無差別級はオープンクラス級と呼ばれています。
試合時間は2分から10分になり、帯と階級に応じて異なります。
まとめ
いかがでしたか。
ブラジリアン柔術は柔道と似ている様に思われますが、体格差があってもできることや考えると楽しいため人気があります。
また、技を編み出す楽しさを実感でき、初心者でも興味を持てることが特徴です。
是非、あなたもカラフルな柔術衣に身を包み、帯を締めてみてはいかがですか。
身も心も引き締まりますよ。