プログレッシブ・ロック(通称プログレ)と呼ばれる音楽ジャンルをご存じでしょうか。
イギリス発祥のロックミュージックで、クラシックやジャズなどの要素を取り入れた先鋭的なスタイルが特徴の音楽。
高度な演奏テクニックに支えられて、複雑に展開する楽曲が多いです。
70年代に旺盛を誇ったこのプログレが、いま再び世界で静かなブームとなっています。
では、プログレッシブ・ロック入門には、どこから入ればいいのか?
ここでは、そのガイドとなる情報を提供したいと思います。
5大プログレッシブ・ロックバンド
プログレはイギリス発祥の音楽ですが、このジャンルには「5大バンド」と呼ばれるバンドたちが存在します。
キングクリムゾン、イエス、ピンクフロイド、ジェネシス、エマーソンレイク&パーマーがそれです。
なかでも、キングクリムゾンこそが、このプログレというジャンルの創始者です。
音楽性はまさに先鋭的で、時代によって様々に変化します。
代表作は「クリムゾンキングの宮殿」
プログレならまずはこれを聴けといって、渡されることの多いアルバムです。
イエスは、ハイトーンのボーカルとテクニカルな音楽性が特徴。
代表作は「危機」
このアルバムは、キングクリムゾンの「クリムゾンキングの宮殿」と双璧と言われることも多く、3大プログレアルバムを決める時にはこの2枚を当確として、残り1枚を何にするかという流れになることが多いです。
ピンクフロイドは、おそらくもっとも大衆的人気のあるプログレバンド。
代表作は「狂気」
このアルバムは3000万枚以上売れていて、ビートルズと凌ぎを削ったほどの大ヒット作です。
ジェネシスも大衆的人気のあるバンド。
ピーター・ガブリエルや、フィル・コリンズというボーカルスターを輩出したバンドとしても有名です。
エマーソンレイク&パーマーは、イエスと並んで非常に技巧的なバンド。
代表作は「タルカス」
テクニック重視の音楽性が、後続に与えた影響は測りしれません。
80年代~90年代のプログレッシブ・ロック
60年代後半のイギリスから始まって、70年代に全盛期を誇ったプログレですが、80年代~90年代前半には下火になります。
しかし、その間もジャンルはひそかに進化を続けていました。
注目すべきは、異なるジャンルを吸収することでさらに音楽性を深めていった点です。
例えば、80年代後半にはプログレッシブ・メタルというジャンルが生まれました。
これは、ヘヴィメタルとプログレを合体させた音楽で、従来の複雑さに加えてヘヴィメタルのアグレッションが加わっています。
代表的バンドは、ドリームシアター。
また、90年代に旺盛を誇ったオルタナティブ・ロックが、プログレと結びついた例もあります。
例えば、トゥールというバンド。
彼らは90年代のアメリカから登場し、数百万枚のアルバムセールスを記録する人気バンドとなりました。
21世紀のプログレッシブ・ロック
21世紀に入ると、プレグレ再興の流れが目立ってきます。
なかでも、中心的な役割を果たしたのが、ポーキュパイントゥリーというイギリスのバンド。
王道のプログレを現代流にブラッシュアップさせた音楽性で、日本でも人気を集めました。
リーダーのスティーブン・ウィルソンは、現代プログレ界の中心的存在といっていいでしょう。
アメリカからは、マストドンというプログレッシブメタルバンドが登場し、チャートを賑わせています。
グローバルな展開を見せているのも現代プログレの特徴。
アメリカやイギリスだけでなく、大陸欧州や南米にも優れたアーティストがたくさんいます。
ではどれから聴けばいいのか?
私が推奨するのは、現代の人気バンドから入門して、そこから昔の名盤にさかのぼっていく方法。
マニアはつい、昔の名盤から勧めてしまいがちですが、それだと敷居が高くなってしまうと思います。
しかも、プログレの場合は、現代のほうがキャッチーで聴きやすい音楽が多いのです。
ですから、ドリームシアター、ポーキュパイントゥリー、トゥール、マストドンといった現代の人気バンドから入門して、次に彼らが影響を受けた先輩たちのアルバムを聴くようにしましょう。
最終的に、5大プログレバンドまで制覇すればいいのです。
まとめ
いかがでしたか。
ここで名前を挙げたバンド以外にも、優れたバンドはたくさんいるので、自分の好みのままに開拓していってください。