毎日、まだまだ暑い日が続きますね。
ですが、夏の暑さの中にも、ふと秋の風を感じる瞬間も増えてきました。
秋は、スポーツに食欲、芸術と、さまざまなことを楽しむのに、ちょうどいい時期です。
そんな中でも、今回は「読書の秋」にちなんで、いくつかのジャンルに分け、オススメの本をご紹介します。
紹介するどの本も親しみやすく、名作と言われている本なので、読書に苦手意識を持っている人でも読みやすく、スラスラとページをめくっていくことができますよ。
SFが好きなあなたにオススメ!星新一の傑作がつまった【妖精配給会社】
「妖精配給会社」は、ショートショートの王様と言われる星新一(敬称略:以下同)の傑作35編が詰まった短編集です。
表題作である「妖精配給会社」は、聴覚障害を持った老人が主人公です。
老人が務めている妖精配給会社では、その名の通り「妖精」を配給しています。
読み終わりました。
星さんの作品、まだまだ少ししか読めてない。死ぬまでには全部読みたいかなぁと思う
この短さでこんな考えさせられるものはない、星さんはすごい、すごすぎる
今回は宇宙の話が多かったですね、発明する話が結構好きなのですが、宇宙も好きです。#妖精配給会社 #星新一 #読了 pic.twitter.com/wmH0IpgZfv— 櫻葉 はな太@読書垢 (@hanata_saku) 2018年11月28日
「妖精」
それは、リスくらいの大きさで、灰色の毛と空を飛ぶ翼を持った地味な生き物。
妖精は、何十年か前に宇宙からやってきた生き物で、決して人間に害は加えず、とても慎ましい性格をしていました。
また、簡単な人語を使うことができ、人に対して、その人が1番欲しい言葉を囁いてくれるのでした。
妖精は、今では1人1匹飼っているのが当たり前で、みんな妖精が囁いてくれる優しい言葉に魅了されていました。
ですが、耳の聞こえない老人だけには、その妖精が薄気味悪いものに思えていてーー
というのが妖精配給会社の大筋です。
「妖精配給会社」は、24ページの短編ですが、ページ数以上の読み応えを感じる作品となっています。
また、「妖精配給会社」にも、諷刺とブラックコメディ色の強い作品が多く揃っています。
SF、短編が好きな人には、オススメの一冊です。
ミステリーが好きなあなたにオススメ!湊かなえ【告白】
湊かなえの「告白」は、「このミステリーがすごい!」や、本格ミステリ・ベスト10にもランクインしている名作ミステリー小説です。
湊かなえの作品の多くは、登場人物の視点で物語が描かれ、進んでいきます。
登場人物の視点といっても、それは主人公だけでなく、事件に深く関わる人物であったり、被害者と親しかった人物であったり、時には犯人であったりと、さまざまな視点から起こった事件を語っていきます。
ミステリー小説ということで、深くあらすじを語ることは避けておきますが、こちらの告白も上記のように視点が一章ごとに変わっていきます。
最愛の娘を亡くした女性から、彼女が受け持つクラスの生徒、彼女の娘を殺した少年AとB……。
最初は、主人公の目を通してこの事件を知っていくのですが、少年AとBの2人の境遇や胸の内を知っていくうちに、
「一体どこに同情していいかわからなくなる」
そんな気持ちになっていきます。
物語終盤は、読者も、行き場のないモヤモヤとした感情をもてあますことになるでしょう。
ですが、それがこの作品の1番の魅力とも言えるのです。
「ミステリーが好き」
「後味の悪さを味わいたい」
という方には、こちらの小説をオススメします。
エッセイが好きなあなたにオススメ!さくらももこ【ももこの話】
こちらは「ちびまる子ちゃん」の作者であり、エッセイストでもある「さくらももこ」のエッセイ集です。
「さくらももこ」は、漫画家でありながらも、20冊以上のエッセイを出しているエッセイストでもあります。
「さくらももこ」が書くエッセイは、爆笑ものから少ししんみりとしてしまうものまで、さまざまです。
「ももこの話」では、未就学児〜小学生時代の「さくらももこ」のクスリと笑ってしまう思い出が詰まっています。
お風呂で、お父さん(ヒロシ)に歌を教えて一緒に歌ったり、紙芝居屋さんで無駄遣いをしてお母さんに怒られたり、大きなお祭りで山本リンダを見に行ったりと、子どもの頃のワクワクとドキドキが濃密に描かれています。
こちらの作品を読んでいると、年代や育った環境は違くとも、まるで「さくらももこ」の目を借りて、その場に立って自分が楽しんでいるような不思議な錯覚に陥ります。
また、同世代の方であれば、
「ああ、そうだったよなあ」
なんて、昔が懐かしくなるようなお話もあり、「ももこの話」は年代の垣根を超えて楽しむことのできるエッセイ集です。
エッセイが好き、ちびまる子ちゃんが好き、という方には是非読んで欲しい一冊です。
まとめ
いかがでしたか。
以上が、読書の秋にオススメしたい名作となっています。
「できる限り毛色の違うものを」
と選んだ作品なのですが、お好みに会う作品はあったでしょうか?
もし、気になる作品がありましたら、ぜひ秋の夜長のお供にしてくださいね。