1枚の写真の中に潜む、あらゆる側面。
見る者すべてが全員違う感性を感じることができるのが、写真の魅力。
しかし、人の心に響く写真作品を撮るのは、写真家であってもなかなか難しいものです。
ところが、それを成し遂げて、私たちに影響を与え続ける写真家も確かに存在しています。
そこで今回は、独断と偏見で選んだ「注目の写真家」を5人ご紹介します。
フィルムカメラのみを使用する独特な撮影スタイル「奥山由之」
2011年、大学在学中にCanon写真新世紀コンテストで受賞。
フィルムカメラのみを使用する独特な撮影スタイルが特徴です。
有名な写真集は「君の住む街」で、「写ルンです」のみを使ったポートレート写真集で、広瀬すずさんなどの有名な女優さんが出演しています。
また、撮影した写真は装苑やGINZAなどの雑誌にも掲載されているので、いつの間にか目に入っていることもあるはずです。
他にも、ポカリスエットのCMやベーコンアイスクリームなどもあり、ブレを表現に使うなど独特な手法でアピールしています。
写真家としては若手ですが、デジカメなどを使わないなど独特な手法で、様々な世界観を表現していることが特徴です。
柔らかい光をはらんだ淡い色調が特徴「川内倫子」
光のきらめき、明るく透明感のある色彩が特徴。
淡い色と淡い光で日常を写し、写真集では独特な世界観を創り出すことがうまい写真家として注目されています。
有名な写真集として「The river embraced me 川が私を受け入れてくれた」があります。
ページをめくっていくと、自分の生きている理由を考えされられたり、命のはかなさを感じさせてくれることが特徴です。
シンプルな色の構成ながら、世界観を創り出すことがプロ級で、見る人にこのような写真を撮りたいと思わせ、見とれてしまうような仕上がりが人気を呼んでいます。
20代で七大陸最高峰を制覇「石川直樹」
20代で七大陸最高峰を制覇し、北極から南極まで人力で踏破するプロジェクトに参加するなど、文字通り、全身を使って世界を歩き、旅を記録し、作品を発表しています。
活躍の舞台は南極や冬山などで、自然を舞台に撮影する写真家として注目されています。
写真の魅力といえば、どの作品でも構図が凄く、見ていて気持ちの良い作品に仕上がっていることが特徴です。
有名な写真集は「ARCHIPELAGO」があり、南の島々に住む人の日常や伝統を写し出しています。
現地以外に住む人が見れば非日常な感じがしますが、現地に住む人は日常なんだというギャップが面白く独特な世界観を楽しめます。
風景の写真は自然や動物などがありますが、独特な世界観を創り出すためには構図を決めて撮影することが重要だと感じさせてくれる力作が多いです。
極彩色で華やかな唯一無二の世界観「蜷川実花」
花や金魚などを撮影した極彩色の写真が人気を集める女性写真家。
鮮やかな色の写真を撮る有名な写真家さんで、雑誌やメディアなどでも多く出演しているため様々なところで耳にすることも多いです。
撮影した花は強いカラーが特徴ですが、写真集の「うつくしい日々」は違います。
父の蜷川幸雄さんが亡くなられるまでの間の日々を撮った1冊で、日常を淡い色と光で仕上げてることが特徴です。
この撮影の仕方が、正しく命の儚さをより感じさせるもので、見てて感動させられる作品です。
また、芸能人の写真も手掛けて様々な色で変化を付け、多くの写真集を作っていることでも注目されています。
SNS発信で世界的なフォトグラファーへと転身「濱田英明」
透き通ったような空気感の中で、被写体を独特の距離感で捉える写真家。
SNSからプロのフォトグラファーに転身したという独特の経歴があり、写真だけでなくセルフプロデュースも得意な写真家です。
写真集「ハルとミナ」は、濱田英明さんの二人の子供の様子を生まれてから撮り続けた作品です。
子供がいる家族にとっては興味が湧く作品となっていて、惹きつけられ自然と手に取ってしまう世界観が特徴です。
二人の兄弟は笑顔がとっても眩しく、小さい頃に兄弟がいればこのように笑っていたのかと懐かしく感じさせてくれます。
また、この子供たちがこれからどのように大きくなるのか想像すると面白いもので、人間模様をうまく描写しているといえます。
兄弟が無邪気に遊ぶ光景を温かくも自然に美しく表現し、見ているだけで自分の過去と子どもの将来を同時に味わえる不思議な感情にさせてくれる作品です。
まとめ
いかがでしたか。
写真家はただ単に写真を撮影しているだけでなく、見る人に感動を与えるよう独特な手法を用いていて興味深いです。
今回は、私が印象に残った5人の写真家を紹介しましたが、写真集などで観察すればそれぞれの独特な世界観を堪能できますよ。