2020年度から、小学校でのプログラミング教育が必修化されます。
パソコンなどに詳しい人なら、その教育内容についておおよそのイメージは浮かぶでしょうが、全く知らない人だとそうもいきません。
プログラミングとは一体どういうものなのか、ここで簡単に理解しておきましょう。
コンピューターは2つのことしか理解できない
プログラミングを知るには、まずコンピューターの仕組みについて知っておく必要があります。
コンピューターは機械ですから、たった2つのことしか理解できません。
それは「スイッチのオンとオフ」です。
たくさんのスイッチが並んだ様子を、思い浮かべてみてください。
このスイッチがオンなら平仮名の“あ”、あのスイッチなら数字の“4”、といったように、コンピューターは、スイッチのオンオフだけですべての物事を表現し、理解しようとするのです。
そして、スイッチのオンは数字の1、オフは0に置き換えられます。
一見すると単純そうに見えますが、リンゴやタヌキ、果ては固定資産税に至るまで、「世の中のすべてを0と1の組み合わせだけで表す」となるとどうでしょう?
このやり方では、人間がそのまま覚えてマネをするには無理があります。
単純そうで至極難解、これがコンピューター内部で使われている言語なのです。
プログラミング言語は通訳のようなもの
コンピューターは、とても優秀なツールです。
計算が速く記憶力も抜群なので、ちょっとした仕事などを任せたい、と考える人も多いのです。
それを実現するために、様々なソフトが開発・リリースされているのですが、かつては高価で巨大だったコンピューターが手軽に使えるようになった今の時代、誰もが自分の思うとおりに命令して使いこなしたい、と思うのは自然の流れと言えるでしょう。
そこで必要となるのがプログラミングであり、それを可能にするための専用言語なのです。
プログラミング言語は様々な種類がありますが、どれも基本的には英語をベースとして作られています。
世界最大の共通言語であり、アルファベット26文字のみの単純な構成のため、非常に扱いやすいからです。
人間に理解しやすい英語ベースの言語で、命令書のようなものを書き、それをコンピューター語に翻訳して伝える。
これが、プログラミングの正体です。
プログラミングの大まかな流れ
プログラミングは、英語に似た単語と数字、記号などを記述することで、コンピューターへの命令を伝えてゆきます。
ここで、日本人が開発した「RUBY」言語を例に、簡単なプログラムを見てみましょう。
a=rand(3)
case a
when 1
puts “私はグーを出しました”
when 2
puts “私の手はチョキです”
when 3
puts “私はパーを出しています”
end
これは「じゃんけん」を例に使ったプログラムですが、パッと見て「英語と記号と数字の羅列」であることがお判りいただけると思います。
このように記述されたプログラム文章=ソースコードを、上から一行ずつコンピューターに読ませて実行させるのです。
英語といっても、長文ではなく単語程度のものですから、これを覚えるのはそう難しくありません。
このように、誰でも簡単に理解可能な言語や書式で、高性能なコンピューターとやりとりできる技術。
これを早い段階、とくに「知識の習得効率が最もよい時期」とされる、小学校時代から身につけさせることで、社会整備や科学研究など、あらゆるシーンで活躍できる人材の確保につなげたい。
小学校プログラミング教育必修化の意義は、そこにあります。
まとめ
いかがでしたか。
ゲーム機に炊飯器、コピー機に飛行機など、コンピューターは実に様々なところで活躍しています。
そして我々人間の社会は、コンピューターの恩恵にあずかって成長してゆく、高度なIT社会でもあります。
こうした時代の流れを考えると、
「コンピューターの重要な操作技術であるプログラミングに、若いうちから慣れ親しんでおく」
ことが、いかに有意義で将来性に富んだものか、もはやいうまでも無いでしょう。