ハーブとは、人の暮らしに役立つ植物のことです。
薬草として、料理の薬味として、またポプリや入浴剤など香りを楽しむ香草として、さまざまな楽しみ方ができるのがハーブです。
使い方を考えて、育てたいハーブを選んでみましょう。
今回は、たくさんあるハーブのなかでも、オススメのハーブを5つご紹介します。
タイムに似た淡い香り「ウインターサボリー」
低木で、タイムに似た淡い香りが特徴です。
別名はサリエットで、シソ科の常緑小低木です。
白から薄い紫色の小さな花が咲き、香りに食欲促進効果があるとされています。
仲間に一年草のサマーサボリーがあります。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけのよい土を好みます。
高温多湿に弱く、すぐに株が傷んで下葉を落とすので、夏は特に、水はけと風通しをよく保つように心がけ、収穫を兼ねて枝を間引きましょう。
春か秋にタネまき、挿し木・根伏せで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
利用法ですが、肉や魚料理の臭み消し・風味づけに使います。
ポプリやハーブティー、入浴剤にもなり、生の若葉や花のついた枝は、サラダや料理の飾りに利用できます。
花は7~9月の花期、いつでも必要なときに摘み取って利用できます。
葉は、花芽ができる頃に若葉を収穫し、サラダなどに利用できます。
小さな葉とピンク色の花が清楚「カラミント」
いくつかの種類がありますが、全草にミントの香りがあります。
別名はマウンテンバーム、カラミンサで、シソ科の多年草となります。
地下を這う根茎から立ち上がった茎にはうぶ毛がはえ、卵型の葉と夏に咲く小さな花が、清楚な風情です。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、やせ気味で水はけのよい、中性からアルカリ性の土を好みます。
多湿に弱いため、すぐに株が傷んで下葉を落とすので、夏は特に水はけと風通しをよく保つように心がけ、収穫を兼ねて枝を間引きしましょう。
春にタネまき、株分けで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
苗は、下葉が落ちていないものを選びましょう。
利用法ですが、ドライフラワーやポプリにすると、清々しい香りが楽しめます。
ハーブティーは、発汗、強壮の効果があるといわれていますが、妊娠中の方は飲用を避けてください。
葉は、開花前に摘み取り、ティーのほかポプリにも利用できます。
花は、春から秋にピンクの花をつけ、小花なのできれいに乾燥できます。
白色の小さな星のような花が可憐「ステビア」
砂糖の300倍近い甘さをもつ、ステビオサイドという成分が含まれています。
別名はアマハステビアで、キク科の多年草となります。
ステビアという名の甘味料として、低カロリー飲料などに欠かせないものとなっています。
花は、8~10月の花期に小さな白い花をつけます。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく適度に湿り気のある土を好みます。
葉や茎が甘いせいか、虫がつきやすいことが難点です。
寒さが苦手なので、コンテナ植えにして、日当たりのよい室内で育てると、虫の被害も少なくてよいでしょう。
生長期に収穫を兼ねて切り戻すと、脇芽が出て、こんもりとした株に育ちます。
春か秋にタネまき、春か秋に株分け、夏に挿し木で殖やします。
苗は節と節の間がつまったものを選びます。
利用法ですが、生の葉をデザートなどの飾りにすると、爽やかな甘味が楽しめます。
乾燥させた葉や茎は、ハーブティーにしますが、濃く煮出した液を保存しておけば、甘味料として料理にも手軽に利用できます。
葉は、いつでも必要なときに収穫して利用できます。
甘い香りのつる性ハーブ「ハニーサックル」
楕円形の葉とユニークな筒状の花をつける、つる性のハーブです。
日本や中国に自生し、解熱や解毒作用があるといわれています。
別名はスイカズラで、和名はニオイニンドウ、スイカズラ科のつる性落葉小低木です。
初夏には花が咲き始め、周囲を甘く清々しい香りで包みます。
花色は、黄、白、紅と白色など数種類で、甘い香りにミツバチが飛来します。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく乾燥した土を好みます。
生育は旺盛で、特に土質は選ばず、グングンつるを伸ばして育ちます。
多少の日光不足や夏の直射日光、乾燥や寒さにも耐えるので、生垣やグランドカバーにも適しています。
初夏に挿し木で殖やし、花後につく実は熟すと黒色です。
有毒なので、子供などが口にしないように注意してください。
苗は、つるがかなり長く伸びるので、支柱が必要です。
利用法ですが、花や蕾、葉・茎は、ハーブティーにすると、のどの痛み・頭痛など、風邪の症状に効果的で、入浴剤にも使用できます。
咳止めシロップは、花をシロップやハチミツに漬け込んでつくります。
小さな紫色の花が可憐「ローズマリー」
ローズマリーは地中海沿岸原産のハーブで、全草に強く清々しい樟脳に似た香りがあります。
殺菌作用、筋肉疲労を和らげ、気分をリフレッシュさせるなどの効果があります。
別名はなく、和名はマンネンロウ、シソ科の常緑小低木です。
茎を垂直に伸ばす立性と、横に這うように伸びる匍匐性、半立性があります。
花は、細い葉の間から小花が顔をのぞかせます。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけのよい土を好みます。
アルカリ性の土に適しているので、植えつける場所の土には、あらかじめ苦土石灰を混ぜ込んでおきます。
暑さや乾燥、病虫害にも強く丈夫に育ちますが、枝葉の茂りすぎで株が蒸れやすく、下葉が枯れることがあります。
乾燥気味に管理して、夏には収穫を兼ねて葉を刈り取り、風通しよく保ちましょう。
春か秋にタネまき、初夏と秋に挿し木で殖やします。
苗は、日当たり水はけのよい場所に植えつけます。
利用法ですが、葉や茎は、肉料理の風味づけに使用します。
特に、ラム肉の料理には欠かせませんし、クッキーやパンに混ぜて焼き込んでもよいでしょう。
煮出した液は、頭皮を健やかにするローションにもなります。
葉は、茎ごと収穫し乾燥させて主に料理に利用します。
まとめ
いかがでしたか。
まずは、お庭の片隅やベランダのちょっとしたスペースにハーブの苗をいくつか植えてみませんか。
ハーブはとても丈夫で、すくすく育ち、いい香りがいっぱいに広がりますよ。