ハーブとは、人の暮らしに役立つ植物のことです。
薬草として、料理の薬味として、またポプリや入浴剤など香りを楽しむ香草として、さまざまな楽しみ方ができるのがハーブです。
使い方を考えて、育てたいハーブを選んでみましょう。
今回は、たくさんあるハーブのなかでも、オススメのハーブを5つご紹介します。
初夏に青紫や白、ピンクの可憐な小花が咲く「アルカネット」
ムスクに似た甘い香りのハーブです。
葉や茎は毛に覆われ、触れるとザラつき感があります。
別名はアンチューサ、ダイヤーズビューグロスで、ムラサキ科の多年草となります。
初夏になると、ワスレナグサのような小花が次々と咲き続け、蝶やハチがよく集まります。
花色は青色、紫色、ピンク色が一般的で、ほかに白色や黄色もあります。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけがよくやせ気味の土を好みます。
砂土やアルカリ性の土でもよく育ちます。
コンテナ植えの場合は、底に鉢底石などを多めに敷いて水はけをよく保ちましょう。
強い日差しと雨を避けて乾燥気味に管理し、夏は風通しをよくするために枝を間引きします。
春から秋にタネまき・株分けで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
苗は、下葉が変色していないものを選びましょう。
利用法ですが、育てやすく、長い期間、花が楽しめる丈夫なハーブなので、ナチュラルな風合いのガーデニング素材として最適です。
花はサラダや料理の彩りに、葉は乾燥させてポプリに、若葉も茹でてサラダにして食べることができます。
銀白色の葉を寄せ植えのポイントに「カレープラント」
茎と葉がうぶ毛に覆われ、全体が銀白色に輝くように見えます。
別名はエバーラスティングで、キク科の常緑小低木です。
細い針状の葉を揉むとカレーの香りがすることから、カレープラントの名があります。
夏には、黄色い小さな花が密集して咲きます。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけのよい土を好みます。
庭植えでは、水やりは特に必要ありません。
コンテナ植えの場合は、植えつける土に有機質肥料とパーライトなどを混ぜ、乾燥気味に管理します。
梅雨は、雨を避けられる場所へ移します。
多少日光が不足する場所でも育ちますが、花が少なくなります。
春か秋にタネまき・挿し木で殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
苗は、葉と葉の間がつまり、下葉が黄変していないものを選びます。
利用法ですが、花や葉は、ドライフラワーやポプリに最適です。
シチューやピクルスなど料理の風味づけには、葉を使用します。
シルバーのカラーリーフプランツとして、花壇や寄せ植えの素材としても人気があります。
花は、乾燥しても色が変わりにくいので、ポプリに最適です。
葉は、いつでも必要なときに収穫して利用できます。
花だけを使うハーブティーは甘いリンゴの香り「ジャーマンカモマイル」
中心を突き出すように咲く花が特徴的で、花つきがよく丈夫で、放置していてもよく育ちます。
別名はセンテッドメイウィドーで、和名はカミツレ、キク科の1年草となります。
開花後2~3日のうちに、花だけを手で摘み取ってハーブティーに利用します。
子宮収縮作用があるので、妊娠中の方は飲用を控えましょう。
育て方ですが、日当たりのよい場所と水はけのよい土を好み、土質は選ばずに丈夫に育ちます。
こぼれダネで自然に殖えていくほど、生育旺盛で初心者向きです。
春先には、新芽、蕾などにアブラムシがつくことが多いので、花をハーブティーに利用したいときは、牛乳などをスプレーすると、アブラムシの駆除に効果があります。
春か秋に、タネまきで殖やします。
利用法ですが、生の花を利用するハーブティーは、金色で香り高く、風邪や不眠、リラックスや美容によい飲み物として有名です。
花は、クッキーに混ぜ込んだり、入浴剤にも最適で、浸出液は化粧水やリンスとしても利用できます。
葉は、細かく分かれているのが特徴的で、花同様、ポプリにも利用できます。
古くから主に染色に利用「ダイヤーズカモマイル」
丈夫で育てやすいので、手軽に楽しめます。
輝くような黄色の花が咲きますが、古くから主に染色に利用されて、飲用には用いません。
別名はゴールデンマルガリータで、キク科の多年草となります。
ジャーマン種やローマン種同様に丈夫で、こぼれダネでよく殖えていきますが、株分けもできます。
花は鮮やかな黄色で、葉はのこぎり状です。
花は花首から摘み、ポプリに利用します。
苗は、とても丈夫で初心者にも育てやすいです。
常緑のグランドカバーとして最適「ローマンカモマイル」
常緑で、地面を這うように横に伸び広がって育つため、グランドカバーに利用できます。
別名はペレニアルカモマイルで、キク科の多年草となります。
全草にリンゴに似た香りがあり、花の香りはジャーマン種よりも強いのですが、ハーブティーにすると少し苦味があります。
茎や葉は入浴剤になり、葉も香るので、ポプリやハーブピローにも利用できます。
苗は、茎が横に這って広がる匍匐性です。
ほのかな香りと葉色を楽しめる「ラムズイヤー」
乾燥に強く、多少の日光不足でもよく育ちます。
銀灰色の姿が美しいので、観賞用としても人気があります。
別名はスタキスで、和名はワタチョロギ、シソ科の多年草となります。
葉には、ほのかな香りがあります。
花は、綿毛に覆われた穂から、ピンク色の小花がのぞきます。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく肥沃な土を好みます。
多湿と高温に弱いので、直射日光を避けて乾燥気味に管理します。
梅雨から真夏にかけては特に株や根が蒸れて傷みやすくなるので、枝を間引くなど、水はけと風通しをよく保ちます。
春にタネまき、春か秋に株分け・挿し木(茎)で殖やします。
苗は、高温多湿に弱いです。
利用法ですが、白い綿毛に覆われた羊の耳(ラムズイヤー)のような葉は、花壇の彩りとしても美しいです。
切り花や花壇、寄せ植え、ポプリ、ドライフラワーなどに利用します。
葉だけでなく、夏から秋にかけて咲く長い花穂も、ドライフラワーになります。
さわやかな香りと、のどの炎症緩和に最適「レモンバーベナ」
葉にさわやかなレモンの芳香をもつ、低木のハーブです。
鎮静、のどの炎症や消化促進などの効果があります。
別名はなく、和名はコウスイボク、クマツヅラ科の落葉小低木です。
南米原産なので、霜にあたると枯れることがあります。
育て方ですが、土質は特に選ばず、日当たりのよい場所と、水はけのよい土を好みます。
植えつけ後、2年目から茎が木質化し、病虫害にも強く丈夫に育ちます。
コンテナ植えの場合は、大きめの容器に植えつけます。
冷たい風や寒さには弱いので、庭植えの場合は、冬は掘り下げて鉢植えにして、室内の明るい日の当たる場所で管理するとよいでしょう。
初夏に、挿し木で殖やします。
苗は、肥料や水の与えすぎは禁物です。
利用法ですが、香りを生かして、ハーブティーやハーブバスに最適です。
葉は、開花期に葉の香りもよくなるので、同時に収穫します。
乾燥させても長く香りを保つので、ポプリやリース材料、入浴剤などに最適です。
生の葉も、ハーブティーや入浴剤、お菓子などの香りづけに利用できます。
白色の小花が集まった花穂は、葉・茎とともにポプリに利用できます。
まとめ
いかがでしたか。
まずは、お庭の片隅やベランダのちょっとしたスペースにハーブの苗をいくつか植えてみませんか。
ハーブはとても丈夫で、すくすく育ち、いい香りがいっぱいに広がりますよ。