作家の「森見登美彦」先生。
軽快な文章と、テンポの良い会話。
そして、欠点だらけでお間抜けだけど、どこか憎めない人々……。
京都を舞台にした作品が多いのも、特徴です。
そんな森見作品に初めて触れる人の為に、個人的なオススメ作品をリストアップしてみました。
どうぞ、作品との出会いの手引きになれば、嬉しいです。
【第三位】ペンギン・ハイウェイ
第三位には、「ペンギン・ハイウェイ」を推します。
アニメ映画化もされ、ヒットした本作品は、珍しく京都以外が舞台です。
そして、主人公は腐れ大学生ではなく、ピチピチで賢くて、ちょっとおませな小学生の『アオヤマくん』。
少年の目を通して描かれる、瑞々しいひと夏の物語です。
主人公のアオヤマくんは、頭が良くて知的好奇心が旺盛な、秀才タイプの男の子。
気になることはノートに書いて、独自に研究しています。
そして、彼が秘かに気になるのは、歯医者に勤める『お姉さん』。
美人でおっぱいが大きくて、チェスが強い。
そして、謎の度量の広さで彼を惹き付ける、お姉さん。
やがて、彼の住む郊外の街に、大量のペンギンが出現します。
ペンギンは、どこから来たのか。やがてアオヤマくんは、あのお姉さんが、コーラの缶をペンギンに変える瞬間を目撃します。
森に現れた不思議な球体と共に、謎を解こうとするアオヤマくん。
彼の、年上のお姉さんへの可愛い恋心や、年相応のスケベ心が微笑ましくて、ニヤニヤします。
【第二位】恋文の技術
「有頂天家族」と迷いましたが、個人的には「恋文の技術」を推したいです。
これも主人公は、冴えない大学院生。
でも憎めない、愛すべき人物です。
教授の命令で、京都から遠く離れた能登の実験所に出向を命じられた、主人公の守田一郎くん。
彼は、先輩にしごかれながらも京都を懐かしみ、友人や先輩など、知人へ手紙を書き始めます。
同じ研究室の親友、頭が上がらない女帝、家庭教師の教え子に、作家になった先輩など。
なんと、作者の森見登美彦先生が、本人役で登場します。
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しかし、一番手紙を出したい、想い人の伊吹夏子さんには、いつまで経っても手紙を出すことが出来ません。
本作は、守田くんが皆に出した手紙を集めた、書簡小説です。彼の手紙を読むことで、初夏から晩秋までに起きたことが、分かるという一風変わった小説です。
その手紙の中で、守田くんが色々言い訳をしながら踏み出せず、伊吹さんへの片想いを募らせる様子が、ありありと見えてきます。
そして訪れる大事件と、最後に自分の情けなさを受け入れて、踏み出す守田くんの成長……。
情けないなりに頑張り、空回る主人公。
でも、どこかユーモラスで、応援したくなります。
途中で『伊吹さんへの失敗書簡集』という、失敗したラブレターも掲載しています。
ここは、爆笑間違いなし。
恋に人生に迷走する、守田一郎くんを見守ってあげて下さい。
【第一位】夜は短し歩けよ乙女
個人的な取っつき易さ第一位の作品は、「夜は短し歩けよ乙女」です。
本屋大賞を受賞した本作は、可愛いカバーイラストやお話で、スラスラと読むことが出来ます。
全四章で、それぞれ春夏秋冬の話というのも、簡潔で良いです。
あらすじは、主人公の大学生「私」が、想いを寄せる後輩の女の子に近付こうと、空回りしつつ奮闘するというもの。
“夜は短し歩けよ乙女”読了
独特の文体と奇想に満ちた作風は読み手の想像を遥かに超えてワクワクした。
人を好きになる事が、いかに楽しく、目に見えない力を生み出すものかを教えてくれる。
『人事を尽くして、天命を待て』#読了 #読書好きな人と繋がりたい #夜は短し歩けよ乙女 #森見登美彦 pic.twitter.com/blqxf1NJyK
— たこわさ (@copencopen2) 2019年2月13日
結婚式の二次会から離れた彼女を追いかけたり、古本市で偶然を装い、彼女と出会おうと画策したり。学園祭の劇で、彼女の相手役になろうと奮闘したり。
しかし、あまりに遠回しなアプローチは、天然な彼女にはまったく届きません。
それに比べて、彼女はいつも溌剌と楽しそう。
二人の対比が面白く、元気で好奇心旺盛な彼女の魅力が際立つ、キュートなお話です。
京都の名所が、あちこち登場するのもポイントです。
ちなみに、アニメ映画にもなりました。
まとめ
いかがでしたか。
個人的なオススメ作品を3作リストアップしてみました。
「森見登美彦」作品の出会いの手引きになれば、嬉しいです。