大ヒットを記録した「マインクラフト」というゲームをご存じでしょうか。
3Dのゲーム空間で、ブロック状のキューブを積み上げて好きな建物を作ったり、モンスターと戦うゲームですが、実はこのゲーム、たった一人の製作者によって作られた「インディーゲーム」と呼ばれるものなのです。
今回は、その「インディーゲーム」についてご紹介します。
インディーゲームとは
インディーゲームとは、頻繁に広告を打っているような大企業の製作したコンシューマゲームではなく、少数精鋭あるいは個人で作り上げたゲーム作品のことです。
近年、インディーゲームを販売するプラットフォームが充実してきたことで、ゲーム会社に属さない個人やチームが、ゲームを製作して販売できるようになったことが、流行の背景にあります。
実は、インディーゲームとコンシューマの間には、本質的にはほとんど違いはありません。
基本的には、コンピュータプログラミングによる開発を行い、イラストはイラストレーターが、BGMは作曲者が、シナリオはシナリオライターが担当することになります。
初マイクラわずっ!
楽しいわ… pic.twitter.com/LabxGifPi3— きりみずっとモ仲ライトユーザー (@hamigaki_ma) 2019年4月6日
大きな違いは、そこに割ける人的リソースです。
コンシューマゲーム製作では、一本のゲームソフトを作るために、数百名規模のスタッフが総力を結集します。
しかも、スタッフはすべてその道の専門家です。
必然的にボリュームが増え、クオリティも高くなりますが、重厚長大ゆえに掛かるコストも大きく、ヒットを出せなければ赤字となってしまいます。
その点、インディーゲームは、人件費はかなり少なく抑えられます。
スタッフは少数精鋭であり、役割の兼任や、すべて一人で作るなどのパターンもあります。
つまり、基本的には少ない人的リソースでやりくりするため、ボリュームもクオリティも商業作品未満になりがちですが、掛かるコストが低い分ペイしやすい上に、当たった時の利益も大きいものになります。
実際、インディーゲームの販売によって得た利益で会社化し、ゲームを作り続けているチームも世界中に存在しています。
いまや、ゲーム製作はゲーム会社だけの特権ではないのです。
インディーゲームがヒットを飛ばせる理由
では、なぜボリュームもクオリティも低いインディーゲームが、大ヒットを飛ばせるのでしょうか。
そこには、二つの法則が隠されています。
一つ目の法則は、なにより一作品あたりの単価が安いことでしょう。
現在、コンシューマと呼ばれる家庭用ゲーム機用の作品は、一作品あたり六千円から八千円程度の価格帯で販売されています。
マインクラフト届いた! pic.twitter.com/kxmWjMmFEe
— バーチャルKM (@co163466) 2019年4月6日
しかし、インディーゲームは開発コストを低く抑えられるため、安いものだと千円程度、高いものでも三千円から四千円と、コンシューマよりもお手頃です。
言わば、買って失敗しても後悔しない値段であるということが、ヒットに繋がっている一因でしょう。
出典:任天堂公式
二つ目の法則は、インディーゲームになくてはならない「尖った面白さ」があるということです。
前述した通り、重厚長大になるビッグタイトルは、なるべく多くの人に購入してもらう必要が出てきます。
そのため、たとえばシナリオ表現をマイルドにするだとか、様々なゲーム要素を入れ込むなどして、より多くの人が楽しめるような仕組みを用意することになります。
しかしながら、「マスを取る」方針は、時にゲーム体験を希薄化させてしまうことがあります。
「もっとアクションがしたいのに、興味のないシナリオを読まされて退屈する」、逆に「シナリオだけ読みたいのに、ゲームをクリアするのが億劫だ」などが、その好例でしょう。
その点、インディーゲームは人的リソースの低さから『マスではなくコア』を突いた作品が多いのが特徴です。
まとめ
いかがでしたか。
インディーゲームは、熱狂的なファンが満足できるインディーズ特有の突き抜けた面白さや魅力が、結果的に多くのヒットを飛ばせる鍵なのです。