私は、長崎県の佐世保市で生まれ育ち、その後は福岡に引っ越し、学校に通ったり働いていました。
さらに、日本や海外の様々な場所に移り住みましたが、九州出身の人たちとの出会いが多くありました。
その経験から、九州各地特有の方言を耳にしてきたのですが、その中には素敵な意味があったり、音の響きが良い方言がたくさんありました。
今回は、私が実際に耳にして素敵だと感じた九州の方言をいくつかご紹介します。
「バリ」や「えらい」の上を行く最上級の言葉「ちかっぱ」
「ちかっぱ」は福岡県で主に若い人たちがよく使っている方言です。
その語源は「力いっぱい」らしく、その意味は「とても」「ものすごく」「めちゃくちゃ」というような感情の度合いを強く表す言葉です。
私が福岡県に住んでいたのは20代前半でしたので、福岡出身の友達はみんなこの言葉を使っていました。
最初にこの言葉を耳にした時には意味が分からなかったのですが、友達からその意味と語源を聞いた後は、素敵な言葉だと思うようになりました。
そして、出来るだけポジティブな意味で「ちかっぱ」を使う表現をしたいと思って、とても美味しい物を食べて感動したり、ものすごく頑張って資格を取得したり、めちゃくちゃ楽しめるように、行ったことが無い所に行って新しい体験をしたりしました。
若い時のそんな前向きな「ちかっぱ」な経験は、その後の私の人生にポジティブな影響を与えてくれました。
それだけ素敵な言葉だと思いますし、音の響きもちょっと可愛らしくて大好きな方言のひとつです。
アーケード街の名前にもなっている「さらく」&「さるく」
「さらく」と「さるく」は、長崎県佐世保市で使われている方言です。
この2つの言葉は、地域や人によって言い方が違うだけで、どちらも同じ意味を持っています。
その意味は「ぶらぶらと歩きまわる」「散歩する」という、結構適当な意味合いを持った言葉です。
この方言は、長崎県佐世保市にある直線距離が日本で一番長いアーケード街の名前にも使用されていて、その名は「さるくシティ4○3(さるくシティよんまるさん)」です。
私の父親はかなりの高齢ですが、色んな場所をぶらぶらするのが好きですので、よくこの方言を使います。
例えば、街中をぶらぶら「さらく」とか、山の中を「さらいて」山草などを摘んでくる、などと言う感じです。
今の世の中は、様々なスピードが速くなりセカセカした雰囲気ですから、そんな時にこの「さらく」や「さるく」という、ほんわかした雰囲気の言葉を耳にすると、なんだか心が穏やかになれるので素敵な方言だと思います。
熊本に住むなら覚えておきたい「さしより」
「さしより」は熊本県で広い世代で使われている方言です。
その意味は「まずは」「とりあえず」ですから、例えば居酒屋などで「さしよりビール」というような使い方をします。
これは、標準語では「とりあえずビール」と居酒屋でいうのと同じ意味合いです。
言葉の響きが温かいイメージがして、素敵な方言だと思います。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、生まれ育った九州の方言の中でも、特に素敵だと思う言葉を3つご紹介しました。
このように、九州には心温まる素敵な方言がたくさんあります。
是非、九州に出掛けてみて、心温まる素敵な方言を耳にして頂きたいです。