エルバンは、万年筆愛好家にとって馴染み深いメーカーのひとつです。
特に、インクで有名なメーカーですが、
「万年筆のインクが使えるボールペン。」
という面白い商品も作っています。
そこで今回は、そんな「コンバーターつきボールペン」を使った感想を紹介します。
万年筆のインクが使えるのが強み
ボールペンというと、
「使い捨てで、色の選択肢も少ない。」
というのが一般的です。
しかし、コンバーターつきボールペンは、
「ペン付属のコンバーターにボトルインクを吸い上げて、繰り返し使える。」
という特徴があります。
更に、エルバン社のものでしたら、コンバーターの代わりに、カートリッジ式のインクも使えます。
使い捨てのペンに慣れていると、万年筆のボトルインクは高価と思われがちですが、たくさん書いてもそう減るものではないので、コスパは高いと言えます。
万年筆のインクも、黒やブルーブラックというメジャーな色は勿論のこと、ピンクやライトブルー、エメラルドグリーンなど、たくさんの種類があります。
コンバーターは、カートリッジよりも割安になりますし、インクのメーカーを気にせず使えるため、とても便利です。
因みに、インクタンクは標準よりもやや大きめで、交換の頻度はあまり多くなくて済みます。
筆記時のガリガリ感はあまりない
ヌルヌルとした筆記感の金ペンと比較すると、鉄ペンはガリガリ、カリカリするといった印象がある方も多いかと思います。
確かに、金ペンほどのヌルヌル感はないのですが、かといって紙を引っかくような感じはあまりないように感じました。
ペン先は固めなのですが、ボール部分が大きいからか、インクがよく出るため、筆記感は滑らかです。
鉄ペンは、過去にカクノの万年筆を使ったことがありますが、あちらは明らかに紙にガリッと引っかかるし、インクのかすれも頻繁に見られます。
エルバンのこのボールペンは、ペン先が自分に馴染んでくるということがないため、金の万年筆と比較すると、やや物足りなさを感じてしまいます。
ですが、鉄ペン万年筆と比較すると滑らかですし、ステンレスのペン先なので、ちょっと雑に扱ったり超ヘビーユースしても、壊れないという点は魅力的です。
私は、人に宛てる手紙はペン先が金の万年筆、それ以外の日記や落書き、勉強にはこちらのインクボールペンという具合で、使い分けています。
太字なので、インクの色の濃淡を楽しめる
太字か細字かという点は、ペンを買う上では絶対に知っておきたい情報のひとつです。
エルバンのインクボールペンの筆跡は、やや太め(0.6~0.7mmほど)です。
そのため、細かい罫線のノートや、狭いスペースに字を書くことには、向いていません。
インクフローも抜群にいいので、狭い場所に画数の多い漢字を書くと、読みにくくなることがあります。
反対に、広いスペースにのびのび書いたり、英数字を書いたりする時は、くっきりとした見やすい字が書けます。
さて、インクが濃淡がキレイに見えるかどうかも、ペンを選ぶ時のポイントですね。
太字ということもあり、このペンを使った時は、インクの濃淡がとてもはっきりキレイに出ます。
色々なメーカーのインクを入れて使ってみましたが、特にキレイだったのは、PILOTの色彩雫シリーズです。
「紺碧」と「露草」色は、どちらもブルー系ですが、濃い部分は紺に近い色で、淡い部分は水色や藤色に見えるため、いつまでも眺めていられるくらい美しい筆跡です。
元々、淡めのエルバンのインクですと、そこまで濃淡はハッキリしない分、全体的に薄いグラデーションになり、こちらもこちらでキレイだと思えました。
まとめ
いかがでしたか。
以上、エルバンのインクボールペンを使ってみた感想でした。
金の万年筆には使い心地という点では至らないものの、耐久性や手入れのしやすさ、コスパの良さ、楽しさという意味で、金ペンを持っている人がサブのひとつとして持つなら、十分アリだなと思える品です。
たまには、ちょっと変わったペンを使いたいと思える人や、ボトルインクをカジュアルに楽しみたい気分の時にはピッタリなので、ひとつ持っておくと楽しみ方の幅が広まりますよ。