今では、街中でよく見るようになった「電動アシスト自転車」。
どのような仕組みでアシストされるのか、また、一度も乗ったことがない人が疑問に思うような点について、今回、解説していきます。
あくまで、電動“アシスト”です
「電動自転車」と称されることも多いですが、そちらは原付バイクに相当する車両のことで、そちらと「電動アシスト自転車」は別物です。
この“アシスト”が付く方は、漕がずに走らすことはできず、一般的な自転車にモーターの力による補助が付いているものを指します。
現在では、YAMAHA、ブリヂストン、パナソニックが3大メーカーとなっており、乗車に免許は必要なく、ヘルメットの着用の義務もありません。
つまり、扱いとしては自転車そのものなので、誰でも購入して乗車することができます。
どれくらいの力でアシストしてくれるの?
電動アシスト自転車のアシスト力には規定があり、モーターの出力が240W以下、実際に漕いだ力の2倍までとなっています。
このアシスト力の上限は走行速度によって変わり、速度が上がるほど下がっていきます。
時速25キロ以上になると、一切アシストが掛からないようになり、そうなっても24キロ以内に速度が落ちれば、またアシストが掛かるという具合です。
実際に乗ってみると、20キロ程度までは快適に走行でき、それを超える速度になると、ほとんどモーターが動かなくなっていきます。
出だしのパワーがすごいって本当?
上の項にも書いたように、電動アシスト自転車は、走行速度によってモーターのアシスト力が変わります。
それが低いほど、規定で最高になる漕いだ力の2倍相当までアシストしてくれるので、止まった状態からの出だしに一番パワーが出ます。
その為、一般の自転車を止まった状態から動かす時のように勢いよく漕ぎ出すと、すごいスピードで発車してしまうので注意が必要になります。
特に、坂道で止まった状態から漕ぎ出す際には、抑えて漕がないとウイリーしてしまう(前輪が浮いてしまう)ことがあるほどです。
一度の充電でどれくらい走れる?
バッテリーの容量や、どれだけアシスト(モーター)を使って走っているかによって変わります。
現在、先の3社から発売されている自転車は、最低でも30キロ以上は走れるモデルばかりです。
ほとんどのモデルでアシスト力を調整することができるので、それを上げるほど走行距離が短くなり、逆に落とせば長く走れるようになります。
尚、パナソニックの一部のモデルには、“回生ブレーキ”というシステムが搭載されており、後輪のブレーキを掛けた時に生じる摩擦熱によって発電し、走行中にバッテリーが充電される仕組みになっています。
そのようなモデルでは、坂道を下る際に、軽くブレーキを掛けながら降りるといったことによって、その分走行距離を伸ばすことができます。
両輪駆動の自転車があるって本当?
自転車は原則的に、後輪が駆動(動力)輪です。よって、モーターのアシストもその後輪に掛かるようになっているモデルがほとんどながら、ブリヂストンの一部のモデルは前輪のハブ(車輪の中心)にモーターが入っており、アシストが前輪に掛かります。
漕いで動くのは後輪になるので、両輪駆動となる仕組みです。
この両輪駆動のモデルは、坂道を登る時には後輪にアシストが掛かる一般的な自転車よりパワーを感じることができますが、走行中に段差などによって前輪が浮くと、その時に一瞬ながらアシストが止まったように感じてしまうという欠点があり、評判は人それぞれのようです。
一般的な自転車の延長と考えて乗りたい場合、それらとそれほど違和感のない後輪がアシストされるモデルの方がいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか。
電動アシスト自転車は、一般の自転車にモーターによるアシスト機能を付けたものです。
その為、漕がずに走ることはできず、モーターはあくまで補助だと考えてください。
紹介したようないくつかのタイプがありますが、共通して言えるのは、出だしには気をつけて乗らないと思わぬ事故の原因になります。
慣れてくれば力の入れ方が分かってきますが、乗り初めはくれぐれもそれに注意してください。