地球環境の保全が叫ばれている現代、どんな業界でも環境に配慮した取り組みが積極的に行われています。
タクシー業界も例外ではなく、自動車を用いたタクシーを中心としながらも、世界各地で自転車型のタクシーが採用され活躍しています。
「ベロタクシー」と呼ばれるそのタクシーは、愛らしいルックスとエコなスタイルが特徴的です。
今回は、そんな「ベロタクシー」をご紹介します。
「ベロタクシー」の歴史
ベロタクシーの「ベロ」とは、ラテン語で「自転車」を意味しています。
ドイツで開発されたベロタクシーは、1997年に首都であるベルリンで運行が開始されました。
そしてその後、万博やオリンピックといった大きなイベントにも使用され、世界各地で現在まで運行されています。
日本では、2002年にベロタクシー本部からの認定を受けて、京都や東京で運行が開始されています。
その後も、各地での利用が開始されています。
「ベロタクシー」の特徴
ベロタクシーは自転車と同様に、人間の力を活用して動きます。
「車の形をしている自転車」と言えますが、タクシーであることから、複数の乗客を乗せて走行する機会があります。
その動力確保のため、電動アシスト機能が搭載されており、運転手1人の力でも十分に走行することが出来ます。
さらに、ボディの形が卵型になっています。
走行時の空気抵抗が少なくなり、運転手の負担減少に役立っています。
ボディはポリエチレン製であることから、軽くて吸水性や吸湿性はなく、耐寒性に優れています。
簡単な作りのタクシーだと思われるかもしれませんが、後のリサイクルなどを考慮した設計となっており、そうした点から見てもエコな乗り物です。
もちろん、排気ガスも出ないことから、環境汚染に繋がることがありません。
「ベロタクシー」の使われ方
ベロタクシーはエコな乗り物であり、環境汚染対策に目が向きがちですが、その他にもたくさんのメリットがあります。
その1つに、自動車と違い、剥き出しになっているような作りであることから、外の空気や風景を直に感じることが出来ます。
そのため、観光地での活躍が目立っています。
まるで、人力車のような感覚で観光が可能であるため、観光地の良さをより感じることが出来ます。
また、まちづくりの一環として使用している地域もあります。
今日から #吉祥寺 でウチの #ベロタクシー 走ってます🚲🚗今日はお祭と重なってごった返し💦見かけたら手✋振ってね〜〜ご安全に‼️ pic.twitter.com/iyhck4stlj
— 松戸のデザイン会社@ポンコツ社長 (@ma_akio) September 14, 2019
さらに、タクシーとしての利用の際にも、普通のタクシーを呼ぶまでもない距離であったり、各種公共交通機関の時間が合わないといったときに利用されています。
それらとは違って臨機応変に対応できる乗り物で、スピードも比較的ゆっくりであるためお年寄りに最適な乗り物です。
ベロタクシーは、高齢化が進んでいる現代に合っている乗り物と言えるでしょう。
そして、イベントなどにも使用されることもあります。
#ベロタクシー #札幌
初めて見たけど結構あちこちにあるみたい。 pic.twitter.com/MoKLuSevNL— Czoe (@Czoe41315833) September 14, 2019
大規模なイベントであっても、移動手段としてベロタクシーを導入すれば、準備の負担を軽くすることが出来ます。
燃料代も少なくて済むために、費用も削減できるでしょう。
昔には、万博やオリンピックといった国際的なイベントにも活用されていた実績があるため、その便利さは折り紙付きです。
出典:TOKYO MX
まとめ
いかがでしたか。
このように、ベロタクシーは地球環境に配慮した乗り物であると共に、非常に魅力的な乗り物であると言えます。
観光地で活用され、その愛らしいルックスは多くの人に愛されています。
さらに、お年寄りにとって相性の良い乗り物であり、高齢化社会に適していると言えます。
そして、多くのイベントにも導入され、各地のまちづくりにも貢献しています。
しかし、ベロタクシーの日本での数は、多いとは言えない状況です。
環境汚染が問題になっている現代にこそ、有効な乗り物です。
風を感じる乗り心地も、ストレスに悩まされる現代人の心を癒してくれることでしょう。
これから先、ベロタクシーが再び注目を集める時がやってくるかもしれません。