【機械式時計】時計の価値、ステータス、時計選びなどの指標ともなる「三大複雑機構」とは!? ~トゥールビヨン/永久カレンダー/ミニッツリピーター~

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電池を必要としない機械式の腕時計には、「三大複雑機構」と呼ばれるメカニカルな3つの機構が存在します。

それは「トゥールビヨン」「永久カレンダー」「ミニッツリピーター」という3つの機構。

これらは、機械式時計の中でも最高峰の機構といわれており、作り上げるのに高度な技術が必要とされています。

そこで今回は、

「これらはどのようなものなのか。」

「それがない時計と比べてどう違うのか。」

といったことを説明していきます。

向きに関係なく正確に時を刻む「トゥールビヨン」

機械式時計は、物理的なゼンマイや歯車によって動作している為、向きによってどうしても進み具合に微妙な偏りが出ることがありますが、それを無くす仕組みがこのトゥールビヨンと呼ばれる機構です。

具体的には、機械式時計の心臓部であるテンプ部分が、時計の向きに合わせて動く仕組みになっている為、それによってどんな向きにしていても、重力が掛かる方向を無視して一定の進み具合を保つことができるという機構です。

この機構を最初に開発したのは、スイスの高級時計メーカーのブレゲで、その後に他のメーカーからもトゥールビヨン機構をもった機械式時計が発売されました。

機構自体の作りによって精度に違いが出る仕組みの為、より正確な時を刻めるように、現在でも更なる開発が進められています。

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各月やうるう年をきちんと判別「パーペチュアルカレンダー」

カレンダー機能が付いた時計で、各月やうるう年をきちんと判別する機構が、このパーペチュアルカレンダーです。

PCやスマホのカレンダー機能と同様で、電池式の時計では当たり前かも知れませんが、機械式の時計のカレンダーは、毎月31日まで進んでしまうのが通常です。

その為、31日までない月の翌月にはどうしても日付が狂ってしまいますが、これをメカニカルな機構によって30日までの月の判別や、2月は28日まで、うるう年だと29日までといったように表示できるようにしています。

この機構の開発もブレゲで、その時計が動いている限り、日付が狂うことはありません。

高級時計だけでなく、日本のメーカーからもこれを搭載されている機械式時計が発売されています。

音で時間を知らせてくれる「ミニッツリピーター」

時計はもちろん目視で時間を確認するものですが、音によってそれが分かる機構をミニッツリピーターと呼んでいます。

音の違う2つのハンマーが時計の内部に付いており、1つ目の音が時間、2つ目の音が分を表現する仕組みになっています。

その為のボタンを押すと動作し、音の回数で何時何分かが表現されるので、暗闇の中や時計を目視することができない状態でも時間が分かるという具合です。

時間は1つ目の音の回数、分は2つの音の合成(2つが同時に鳴る)で15分単位、残りを2つ目の音で知らせてくれるものが多く、例えば1つ目の音が3回、合成で2回、2つ目の音が2回の場合は3時32分となります。

このミニッツリピーターは、三大複雑機構の中でも一番複雑な機構だと言われており、この機構が初めて搭載された腕時計は、オメガから発売されました。

時計によってハンマーの音が異なるのが特徴で、この音がとてもいいとされている時計には、何千万円もするものが普通にあります。

まとめ

いかがでしたか。

電池で動く時計であれば、向きによって進み具合が変わることなどなく、カレンダー機能が狂うこともなく、電子音による時間の通知も何も珍しくありません。

ですが、一切電力の供給がない機械仕掛けの時計で、メカニカルな仕組みだけでこれらを再現するのはとても難しく、どれか1つ搭載されているだけでも、分かる人には自慢できるレベルの時計なのです。

腕時計は、精度やこのような機構においては電池式の方が遥かに勝っており、価格面でも安価です。

しかし、機械式で実現してこそ趣があると考える人も多く、どれだけデジタル化された社会になろうとも、機械式時計の魅力が衰えることはないでしょう。

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