奈良公園を中心とした、かつての平城京に点在する神社・仏閣を中心にした世界文化遺産が古都奈良の文化財です。
構成要素としては、興福寺・東大寺・春日大社・春日原生林・元興寺・平城宮跡・薬師寺・唐招提寺です。
この記事では、誰もが知っている興福寺・東大寺・春日大社のおさらいと、まだまだ知られていない元興寺・薬師寺・唐招提寺について、再発見としてまとめます。
美しい三重塔にも注目「興福寺」
興福寺と言えば、奈良を代表するシンボルとも言える五重塔が有名です。
この北側には東金堂があり、いずれも国宝に指定されています。
興福寺を訪れた人の多くは、新たに再建された中金堂と合わせたこの3堂塔を見学し、記念撮影をして帰路に着かれる事が多いものです。
しかし、興福寺には国宝建造物として三重塔・北円堂があり、また重要文化財の南円堂もあり、ゆっくりと見学してもらいたいものです。
『Japanology +Plus』のザイレさん特集。でも一番の名シーンはこちら。#興福寺 pic.twitter.com/WfTtwkRpHf
— 興福寺三重塔 (@3pagoda) October 16, 2020
狭い境内の中にありながら、最も知られていないのが三重塔です。
訪れた際にはぜひ探して見られると良いでしょう。
二月堂は奈良随一の眺望スポット「東大寺」
東大寺は何と言っても巨大な南大門と大仏殿で、これは多くの方が奈良を訪れると必ず見学される所です。
しかし、東大寺にもその他に多くの見どころがあるのです。
大仏殿の東側のエリアには、二月堂・三月堂(法華堂)・鐘楼があり、ここもぜひ見学したい所です。
二月堂からの大仏殿とその向こうに広がる奈良の街の眺望は素晴らしく、ぜひ楽しんでもらいたいビュースポットです。
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— いととも (@itotomoitotomo) June 28, 2020
さらに、大仏殿の裏側には戒壇院、そして少し離れた所に国宝の転害門があり、駆け足ではすべて見られぬほどの貴重な建造物の宝庫なのです。
さまざまな難関を守ってくれる神様が鎮座「春日大社」
春日大社も奈良観光の定番スポットで、朱塗りの立派な南門から入り、幣殿と舞殿から四柱を祀る本殿に向かってお参りして帰路に着かれるのが一般的です。
しかし、周辺には春日大社の摂社や末社が多数祀られており、それらを散策されるもお勧めです。
8月の御朱印備忘録3〈春日大社2〉#若宮十五社めぐり#夫婦大國社 にて受付をし玉串札を受取り、1番から順番に御参りさせて頂きました
満願のおしるしと、御守りを頂いました#夫婦大國社 さんでは、十五社めぐりとは別に 3体の #御朱印 も頂きました pic.twitter.com/8ky37Ee4GL
— くりとくるみ (@kurikurume) August 12, 2019
特に南門を南に少し進むと、若宮十五社があり、人が生涯を送る間に遭遇する様々な難所をお守りくださる神々が祀られており、人生を振り返りつつ巡礼されると良いでしょう。
飛鳥時代から未だに現役の瓦「元興寺」
元興寺は、興福寺の南側を少し南に進んだ、通称「なら町」と呼ばれる町家の建ち並ぶエリアの中心にあります。
元興寺極楽堂(奈良・奈良市)
元は法興寺といい、飛鳥の地に日本初の本格的寺院として建立された。のちに平城京遷都によりこの地に移された。
見どころは、飛鳥時代初期から未だに現役の瓦。
お堂の裏側から見ることができます。赤みを帯びた瓦が悠久の歴史を感じさせてくれます✨#ならまち pic.twitter.com/f2MlQfirEH— やまでらナオキ@国宝たてもの (@rekitabi_) December 4, 2020
飛鳥寺が平城遷都に合わせてこの地に移設されたもので、かつては大寺であったという事です。
しかし、時代と共に堂塔は失われ、今では狭い境内に国宝の極楽坊本堂と極楽坊禅室のみが残っています。
この両建造物の屋根瓦は、黒い瓦に混じって茶色い瓦が混じっています。
この茶色い瓦は、建築当時の瓦とされており、極めて貴重なのです。
また、両国宝建造物の南側の建物内には国宝の小塔があり、これは建造物として国宝指定されているもので、見どころの一つです。
都「平城京」の中枢「平城宮跡」
平城宮跡は、近鉄奈良線の西大寺駅から少し東側に広がる樹木と草が茂る広大な一帯で、発掘調査が進められていましたが、長く草むらのまま放置されてきました。
しかし、平城宮の正門にあたる朱雀門が1998年に復元、2010年には第1次大極殿も復元され、さらに平城京跡資料館、歴史館、遺構展示館など様々な施設が建築され、平城京の歴史を学ぶ観光スポットとして整備が進み、いくつもの建物が建ち並ぶ現状となって来ました。
奈良市の朱雀門とススキ。
夕陽に照らされて劇的にキレイ!!平城宮跡歴史公園は入場はもちろん駐車場、駐輪場、資料館などが無料で、とにかく広いので天気が良ければ1日中写真撮っていたい pic.twitter.com/RGuvqN9Gpi
— -あゆみ-魑魅魍魎 (@usagiwasabi) November 29, 2020
せっかく奈良に来たなら、ここに立ち寄り、奈良時代を目で見て学びたいものです。
「凍れる音楽」と評される東塔「薬師寺」
薬師寺と唐招提寺は、奈良公園エリアから少し離れた平城京の西に位置する西ノ京にあります。
薬師寺は、50年ほど前までは仮本堂と創建時の姿を残す国宝の東塔(三重塔)が建つだけの寺院でした。
その後、写経や寄付により往時の姿の再興が進められてきました。
7月16日
久しぶりの青空です。
セミも鳴き始めました pic.twitter.com/qhR8Z70igu— 法相宗大本山 薬師寺 (@yakushiji_nara) July 16, 2020
現在では、朱塗りの金堂・講堂と、それを挟む様に東塔と西塔が建ち並ぶ創建当初の姿が再興されています。
藻腰を持つ優美な三重塔は、絶対見るべきお勧めの塔と言えます。
美しい「金堂」で人々を魅了する「唐招提寺」
唐招提寺は、歴史教科書にも出ている有名な中国の高僧である鑑真和上が、多くの苦難の末に来日を果たし、東大寺で5年間を過ごした後に、創建された寺院です。
最も有名なのは、国宝の金堂です。
金堂の突き出た屋根を支える木製の列柱が、その柱の中ほどがふっくらと膨らんでおり、これがギリシャ神殿のエンタシスの影響を受けているという点です。
今朝のお寺は #唐招提寺 #奈良 の #律宗 総本山#鑑真 は天宝元年(742)遣唐使から朝廷の「伝戒の師」として招請を受ける
5回渡航に失敗し、視力を失うも、天平勝宝五(753)年、6回目で来日#東大寺 で5年過ごした後、天平宝字三年(759)#新田部親王 の旧宅地を唐招提寺とします#御朱印 pic.twitter.com/hPoC3DTnxd
— 旅人@歴史の扉 (@tabibitorekishi) July 14, 2020
シルクロードを通じて、ギリシャからこの様式が伝わったと思うと、今以上に広大に感じられた世界が奈良時代から繋がっていたという壮大な歴史を感じさせられます。
まとめ
いかがでしたか。
奈良は、多くの方が遠足や修学旅行で訪れた事のあるスポットでしょう。
しかし、この奈良の神社仏閣の中で、多くの国宝を有するところが、世界遺産の構成要素として登録されているのです。
奥深い奈良の文化財をゆっくりと訪れて、再発見の旅を楽しまれる事をお勧めします。