ハーブとは、人の暮らしに役立つ植物のことです。
薬草として、料理の薬味として、またポプリや入浴剤など香りを楽しむ香草として、さまざまな楽しみ方ができるのがハーブです。
使い方を考えて、育てたいハーブを選んでみましょう。
今回は、たくさんあるハーブのなかでも、オススメのハーブを5つご紹介します。
花も葉もスパイスとして「オレガノ」
茎や葉に、コショウに似た香りがあります。
別名はワイルドマジョラム、和名はハナハッカで、シソ科の多年草となります。
葉や花色が変化に富んで美しいため、園芸品種が「花オレガノ」として出回っています。
楕円形の葉は、コショウに似た香りが特徴で、開花後に摘むとより香りが強いです。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけがよく肥沃な土を好みます。
寒さと乾燥に強く、とても丈夫ですが、大きな株に育ち、蒸れやすいので、特に梅雨時や夏には、枝を間引いて風通しよく管理します。
花が咲くのは、2年目からです。
冬は地上部が枯れるので、初冬に切り戻しをします。
春か秋にタネまき、株分けで殖やします。
苗は、横に広がって育つので、株間をあけて植えつけます。
利用法ですが、花は開花前の若い蕾を摘み取り、乾燥してスパイスとして利用します。
葉や花を乾燥させたものは、スパイスとしてイタリア料理、メキシコ料理などに欠かせないものですが、強い香りなので使い過ぎず、少しづつ使うとよいです。
ハーブティーには、鎮静作用があります。
観賞用の園芸品種「オレガノシフィレウム」
花と苞葉の美しさを楽しむ観賞用のオレガノで、半低木状になる大型のオレガノです。
別名は花オレガノで、シソ科の多年草となります。
観賞用の園芸品種で、オレガノの香りは持っていません。
茎葉が、白粉をふいたように青白く美しく、夏にピンク色の花が咲きます。
葉は、料理用のオレガノより丸みを帯びています。
花は、ピンク色の花と苞葉が美しい観賞用の品種です。
苗は、節と節の間のつまったしっかりしたものを選びましょう。
エスニック料理に欠かせない独特な香り「コリアンダー」
葉に独特の香りがあり、エスニック系の料理の風味づけに使用します。
別名は香菜、チャイニーズパセリで、和名はカメムシソウ、セリ科の1・2年草となります。
タネは、スパイスとしてカレーに欠かせない香辛料のひとつです。
消化促進、胃腸を整える効果があるといわれています。
花は、6~7月に白色の小花が咲き、だんだん淡紅色に変わります。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけと保水性のよい土を好みます。
根が傷みやすいので、花壇やコンテナにタネを直にまき、発芽後に間引きをして、株間を20センチ程度あけて育てます。
夏は、涼しい半日かげで管理すると、気温の上昇に伴う生長が抑えられて、やわらかい若葉を長く収穫することができます。
真夏と真冬以外なら、ほとんどいつでも、タネをまくことができます。
こぼれダネでもよく発芽します。
苗は、下葉が落ちていないものを選びます。
利用法ですが、ピリッとパンチのある香りです。
葉はやわらかい若葉を収穫し、生の若葉は、料理のアクセントに利用します。
若葉は、乾燥して保存することもできます。
肉や魚料理の臭み消しには、強い香りがある茎や根を使います。
タネは、他のスパイスとブレンドして、カレーの香辛料にするほか、ハーブティーにして飲むことができます。
フランス料理に欠かせない香り「チャービル」
フランス名をセルフィーユといい、「美食家のハーブ」と呼ばれています。
別名はセルフィーユで、和名はウイキョウゼリ、セリ科の多年草となります。
見た目は、イタリアンパセリに似ていますが、デリケートな香りです。
発汗を促進させ、血液を浄化する効果があります。
花は、白い小花が集まって咲き、サラダの彩りに最適です。
育て方ですが、半日かげとなる場所と、水はけと保水性がよく肥沃な砂質の土を好みます。
移植を嫌うので、タネを直まきして、適宜、間引いて株間を20センチほど開けて育てます。
市販の苗を植えつける場合は、根鉢をくずさず、根を傷めないようにやさしく扱います。
強い日差しを避け、乾燥に注意して管理します。
涼しい場所が最適なので、コンテナ植えにしたほうが扱いやすいでしょう。
春か秋に、タネまきで殖やします。
苗は、移植を嫌うので、植えつけるときは根を傷めないようにしましょう。
利用法ですが、羽状に細かく切れ込みのある葉は、フランス料理では、チャービル、チャイブ、パセリ、タラゴンを混ぜた香草ミックスが有名で、他にもさまざまな料理に使われます。
バニラのような香りが魅力で、香水の原料に「ヘリオトロープ」
白色や紫色の小さな花が、茎の先に傘のように集まって咲きます。
別名はチェリーパイで、和名はキダチルリソウ、ムラサキ科の常緑小低木です。
バニラに似た甘い香りがし、採取した精油は、古くから香水の原料に使わてきました。
園芸用の品種には、大型で香りの淡いものもあります。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけと保水性のよい肥沃な土を好みます。
乾燥に弱いので、夏は寒冷紗などをかけて、強い直射日光が当たらない工夫をしたり、
半日かげへ移して管理します。
耐寒性はないので、冬は室内に入れて窓ガラス越しの日に当て、水やりは控えめにします。
春か秋に、挿し木で殖やします。
サンルームなどで温度を保てば、1年中、花が楽しめます。
苗は、耐寒性がないので、移動できるコンテナ栽培がおススメです。
利用法ですが、花は乾燥させても香りが残るので、すばらしいポプリになります。
切り花やフラワーアレンジメントの花材にも利用します。
鮮やかな黄色の花が魅力「レモンマリーゴールド」
アフリカ原産のマリーゴールドで、全草に強いレモンの香りがあります。
別名はなく、和名はマウンテンマリーゴールドで、キク科の1年草となります。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけのよい肥沃な土を好みます。
多湿や寒さにも比較的強く、丈夫に育ちます。
植えつけ後は、切り戻しを繰り返して、脇芽をたくさん出させておくと、株全体が花で埋まるような見事な開花となります。
咲き終わった花がらは、早めに摘み取って管理します。
春から秋に、挿し木で殖やします。
苗は、日当たりのよい乾燥した場所に植えつけます。
利用法ですが、ポプリ、ドライフラワー、切り花などに利用します。
香りが強いので使いすぎないようにして、ハーブティーにするときは少量にします。
利尿作用があるといわれています。
まとめ
いかがでしたか。
まずは、お庭の片隅やベランダのちょっとしたスペースにハーブの苗をいくつか植えてみませんか。
ハーブはとても丈夫で、すくすく育ち、いい香りがいっぱいに広がりますよ。