ハーブとは、人の暮らしに役立つ植物のことです。
薬草として、料理の薬味として、またポプリや入浴剤など香りを楽しむ香草として、さまざまな楽しみ方ができるのがハーブです。
使い方を考えて、育てたいハーブを選んでみましょう。
今回は、たくさんあるハーブのなかでも、オススメのハーブを5つご紹介します。
免疫力アップに最適「エキナセア」
中心を突き出すように咲く花の姿が、ユニークです。
別名はパープルコーンフラワーで、和名はムラサキバレンギク、キク科の多年草となります。
主に根に含まれる成分には免疫力を高め、抗ウイルス・抗菌作用があるため、風邪を予防するハーブとして利用されています。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけがよく肥沃な土を好みます。
植えつける土には、あらかじめ有機質肥料を元肥として、混ぜ込んでおきましょう。
寒さに強く丈夫で、よく育ちます。
春にタネまき、株分けで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
利用法ですが、根を煮出した液は、のどの痛みを抑えるうがい薬になります。
全草を乾燥させて砕き、保存しておくと、風邪予防のハーブティーとして常備することができます。
エキナセアには、弱った免疫力を強化し、病気に対する抵抗力を高める働きがあるといわれ、直接ウイルスを攻撃する抗ウイルス作用もあるため、手軽に摂れるティーが風邪対策に活躍しそうです。
特徴のある大輪の花は、乾燥させてリースやポプリにも利用できます。
丈夫で育てやすくミントの香りでリラックス「キャットミント」
寒さに強く丈夫で、近縁種のキャットニップよりひと回り小さく、草丈40センチほどに育ちます。
別名はなく、シソ科の多年草となります。
清々しい香りには、発汗・鎮静作用があり、風邪や不眠解消に効果的といわれています。
春から秋に、白や紫色の美しい花を咲かせます。
育て方ですが、日当たりのよい場所が適していますが、半日かげでもよく育ち、適度に湿り気のある場所と、水はけと保水性のよい土を好みます。
コンテナ植えの場合は、生長期には肥料を施し、水切れに注意して管理します。
春にタネまき・株分け、夏と秋に挿し木(茎)で殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
苗は、キャットニップより香りは穏やかですが、やはり猫に注意が必要です。
利用法ですが、ラベンダーに似た花は、切り花や押し花、食用花に最適です。
葉は、蕾のつく頃に枝ごと収穫し乾燥させて、ポプリやハーブティー、入浴剤に使用します。
葉を詰めたぬいぐるみは、キャットニップ同様、猫の喜ぶおもちゃに最適です。
どこにでも咲いているタンポポ「ダンデライオン」
いまでは、一年中見かけられるようになった野草の西洋タンポポです。
別名はなく、和名はセイヨウタンポポで、キク科の多年草となります。
ヨーロッパでは、食用やハーブティーなどに利用されるハーブで、葉はミネラル分が豊富で、根には利尿作用があります。
花は、おなじみの黄色いタンポポの他に、白花、ピンク花もあります。
育て方ですが、日当たりと水はけのよい場所であれば、特に土質を選ばずに育ちます。
放置していても丈夫に育ちますが、葉や根を食用に利用したいときは、化学物質を使わない清潔な土に植えつけたり、猫などの排泄物がかからないような工夫をすると安心です。
春か秋にタネまき、株分けで殖やします。
こぼれダネでも、自然と殖えていきます。
利用法ですが、少し苦味のあるやわらかい若葉は、サラダやハーブティーに最適です。
花と葉は、天ぷらにすると野趣に富んだ風味が味わえます。
根をよく乾燥させて焙じたものは、ノンカフェインのタンポポコーヒーとして利用されます。
フラワーアレンジに活用「フィーバーフュー」
初夏に、白色の小ギクのような花が咲きます。
カモマイルのような一重の花と、ボンボン咲きの八重の花があります。
別名はなく、和名はナツシロギクで、キク科の多年草となります。
葉には強い苦味があり、生葉の食用はできません。
乾燥葉を使ったハーブティーには、頭痛の緩和、強壮・鎮痛作用があります。
葉色も色々あり、黄金葉は花壇の彩りにもなります。
花には、防虫作用があります。
苗は、風通しが良くなるよう株間を開けて植え付けます。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく乾燥した土を好みます。
特に、土質は選ばすに丈夫に育ちますが、高温多湿に弱いため、夏は特に、水はけと風通しをよく保つように心がけて枝を間引きます。
秋にタネまき、春から秋に挿し木、株分けで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
利用法ですが、花は乾燥させると防虫効果のあるポプリに、花壇では他の植物と混植すると虫よけになります。
ハーブティーには、花や葉、茎を使用しますが、妊娠中の方の使用は避けてください。
バラの香りが特徴的、リラックスしたいときに「ローズゼラニウム」
センテッドゼラニウムの代表種で、強いバラの香りがあります。
別名はセンテッドゼラニウムで、和名はニオイテンジクアオイ、フウロソウ科の常緑多年草となります。
精油は、化粧品やせっけんなどに、人工的にバラの香りをつけるために利用されています。
苗は、日当たりと水はけのよい場所を好みます。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく湿り気のある肥沃な土を好みます。
栽培は比較的簡単で、30℃以上の高温と多湿が苦手ですが、夏でも風通しのよい、直射日光の当たらない明るい場所で管理すれば、元気に育ちます。
下葉が落ち始めたら早めに切り戻しを、花後にも剪定をします。
冬は鉢植えにして、室内に入れるとよいでしょう。
コンテナ植えの場合は、年に一度、花後に植え替えをすると、株を元気に保てます。
春か秋にタネまき、挿し木で殖やします。
利用法ですが、香りを充分に活用してください。
葉からとれる精油が、香料として化粧品などに使用されています。
開花直前に摘み取る香り豊かな葉には、鎮静作用があり、ポプリや入浴剤に最適です。
花は、お菓子や飲み物の飾りに、葉は、お菓子に焼き込んで食べられます。
ポプリ用の花などは、元気なうちに収穫して利用しましょう。
小さな葉と白い花がかわいい「アップルゼラニウム」
リンゴに似た甘い香りをもち、小さめの柔らかな丸い葉をもつ種類です。
別名はなく、フウロソウ科の常緑多年草です。
花は白色で、横に這うように育つ匍匐性なので、花壇の縁取りやハンギングバスケット、寄せ植えなどに適しています。
花は花首から摘んで、サラダやデザートの彩りに、またはティーに。
葉は、開花直前に摘み取り、菓子に焼き込みます。
迫力のあるピンク色の花「クロリンダ」
ユーカリの香りがする6センチほどの葉と、大きな濃いピンクの花が特徴です。
別名はなく、フウロソウ科の常緑多年草です。
コンテナ植えに向いていて、花はセンテッドゼラニウムの中では珍しい、園芸種のような大輪の花を咲かせます。
花は、花首から摘んでポプリに利用します。
葉は、開花直前に摘み取り、ティーや入浴剤に利用します。
苗は、鉢植えに向き、葉が黄変していないものを選びます。
小さなピンク色の花を寄せ植えに「ストロベリーゼラニウム」
花つきがよく、横に這うように育つ匍匐性なので、花壇の縁取りやハンギングバスケット、寄せ植えなどに適しています。
別名はレディ・スカボロで、フウロソウ科の常緑多年草です。
花は、赤い斑入りの薄いピンク色の花が咲きます。
葉は、ワイルドストロベリーの香りがし、開花直前に摘み取りティーや入浴剤に利用します。
苗は、ハンギングバスケット仕立てに向きます。
ウッディーな香りを楽しめる「クックフェザントフットゼラニウム」
全体に、ウッディーな清々しい香りがあります。
別名はパイナップルゼラニウムで、フウロソウ科の常緑多年草です。
花は薄いピンク色か藤色の花が咲きます。
葉は掌状の切れ込みがあり、葉脈がはっきりしています。
苗は育てやすく、鉢植えに向きます。
赤色の花を寄せ植えのポイントに「ヘイゼルナッツゼラニウム」
葉は5つに裂けた形、花はピンク色がかった赤色です。
別名はなく、フウロソウ科の常緑多年草です。
株全体が自然と纏まって育ち、管理しやすい種類です。
花は、春から夏にかけて、濃いピンク色の花が咲きます。
葉は、ヘイゼルナッツの香りがします。
苗は、日当たりと風通しのよい場所を好みます。
真紅の花とスパイシーな香りが魅力「ミセステーラー」
センテッドゼラニウムの中では珍しい、鮮やかな赤色の花を咲かせます。
別名はなく、フウロソウ科の常緑多年草です。
育てやすさもあり、主に観賞用として人気の高い品種です。
花は、サラダやデザートなどの飾りつけとしても綺麗です。
葉には、トウガラシのようなスパイシーな香りがあり、ポプリやハーブティー、入浴剤に利用できます。
苗は育てやすく、鉢植え向きです。
こんもり、ふんわりと育てて「ペパーミントゼラニウム」
葉に、強いミントに似た香りがあります。
別名はなく、フウロソウ科の常緑多年草です。
花は、春から夏にかけて、白色の小花をつけ横に這うように育つ匍匐性で、西日や直射日光の当たらない場所で管理します。
葉は、清々しい香りで、ティーにすると爽やかです。
苗は、よく横に広がって育つので、株間をあけて植えます。
縮れている葉が面白い「レモンゼラニウム」
とても丈夫な種類で、強いレモンの香りがあります。
別名はなく、フウロソウ科の常緑多年草です。
花は、春にピンク色の花をつけ、花弁の下の3枚は細長いです。
葉は、パセリのようにフリル状に縮れていて、レモンの香りがあります。
まとめ
いかがでしたか。
まずは、お庭の片隅やベランダのちょっとしたスペースにハーブの苗をいくつか植えてみませんか。
ハーブはとても丈夫で、すくすく育ち、いい香りがいっぱいに広がりますよ。