ハーブとは、人の暮らしに役立つ植物のことです。
薬草として、料理の薬味として、またポプリや入浴剤など香りを楽しむ香草として、さまざまな楽しみ方ができるのがハーブです。
使い方を考えて、育てたいハーブを選んでみましょう。
今回は、たくさんあるハーブのなかでも、オススメのハーブを5つご紹介します。
甘い香りと黄色い小さな花が魅力「アグリモニー」
花は初夏に開花し、全草にリンゴに似た甘い香りがあります。
別名はハーベストライス、和名はセイヨウキンミズヒキで、バラ科の多年草となります。
日本にも自生しているミズヒキの仲間で、草丈1メートルほどの大きな株に育ちます。
収れん・抗炎症作用があるため、ヨーロッパでは傷に効くハーブとして利用されてきました。
若葉は、少し苦味がありますが、サラダなどに利用できます。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけのよい土を好みます。
特に、土質に左右されることなく丈夫に育ちますが、大きな株になるので、株間を40センチ程度あけて植え付けるとよいです。
春か秋に、タネまき・株分けで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
利用法ですが、全草を利用できます。
花が終わった頃に全草を刈り取り、乾燥させます。
乾燥させてポプリや入浴剤、ハーブティーに。
ハーブティーは、収れん化粧水としても使えます。
濃く煮出した液は、うがい薬として利用できます。
赤紫色の花が鮮やか、サラダに最適「カールドン」
アーティチョークの近縁種で、欧米では主に、若葉や葉柄をサラダなど野菜として食されています。
貧血・利尿、消化促進などに効果があり、夏にアザミに似た赤紫色の花が咲きます。
別名はスパニッシュアーティチョークで、キク科で多年草となります。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく、肥沃な適度に湿り気のある土を好みます。
人の背丈を越えるほど大きく育つため、庭植えでの栽培に適しています。
根が深く伸びるので、植えつける場所の土はよく耕し、株間は80センチ以上あけて植えつけましょう。
春にタネまき・挿し木、秋に株分けで殖やします。
利用法ですが、葉をサラダにするほか、開花する直前の蕾もアーティチョークのように食べることができます。
必ず、塩ゆでにしてアクをぬきます。
茎は、茹でて食用できます。
入浴剤には乾燥させた葉を、花はドライフラワーに最適です。
紫色の小さな花が優雅な香りを漂わす「スィートバイオレット」
名のとおり、甘い優雅な香りをもつ花が咲きます。
地面を這うようにランナーを出して殖え、春には一面を香りで埋め尽くします。
鎮静作用や気管支炎を和らげる働きがあるといわれています。
別名はニオイスミレで、スミレ科で多年草となります。
育て方ですが、日当たりのよい場所と水はけ、保水性のよい肥沃な土を好みます。
強い直射日光に当たると、弱って枯れてしまうこともあるため、庭植えでは、夏に直射日光を避けられる樹下などが最適です。
コンテナ植えの場合は、大きく育つハーブの根元に寄せ植えするとよいです。
秋にタネまき、春か秋に株分けで殖やします。
ランナーから出た小苗を利用すると簡単に殖やすことができますし、こぼれダネでもよく発芽します。
利用法ですが、可憐なスミレの花は、花首から摘み、生のままサラダなどに飾ります。
乾燥させてポプリにもしますが、砂糖漬けにしたお菓子は、ケーキなどの飾りに使用するなど、より鮮やかな色を楽しむことができます。
塩漬けやシロップ漬けもできます。
ハーブティーには花と葉を使います。
葉は、いつでも必要なときに収穫して利用できますし、苗は、グランドカバーにも向きます。
黄色いくっきりと目立つ花「タンジー」
切れ込みの入った葉と丸いボタンのような黄花の取り合わせがユニークなハーブです。
別名はヨモギキクで、キク科で多年草となります。
樟脳に似た香りがあり、殺菌・防虫効果が高いといわれています。
一部有毒な成分が含まれているため、飲食用には使用しないでくださいね。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけのよい土を好みます。
寒さや乾燥に強く丈夫で、庭植えの場合、水やりは夏の乾燥で葉がしおれたときに与える程度でよく、あとは放置していても地下茎を放射状に伸ばして広がります。
コンテナ植えの場合は、こまめに切り戻しをして、コンパクトな株に育てましょう。
春にタネまき、春か秋に株分けで殖やします。
利用法ですが、強い香りがある羽状の葉は、枝ごと乾燥させて吊るしておくか、布袋に詰めてタンスや敷物の下などに入れると、害虫やダニを防除する防虫剤になります。
丸く黄色い花は、ドライフラワーに適しています。
苗は、果樹の近くに植え付けると、害虫除けになるといわれています。
甘い香りの黄色い花で、葉に防虫効果「ルー」
小さな黄色の花は甘い香りですが、葉には独特な強い香りがあり、葉の香りに防虫・殺菌作用があります。
別名はハーブオブグレイス、和名はヘンルーダで、ミカン科で常緑低木となります。
葉の汁にかぶれることがあるので、扱いには注意が必要です。
育て方ですが、日当たりのよい場所と水はけのよい土を好みます。
特に土質は選ばずに、丈夫に育ちます。
病害虫の心配もなく乾燥にも耐えるため、栽培は簡単です。
庭植えでの水やりは、夏の乾燥で葉がしおれたときに与える程度でよく、あとは必要ありません。
大きく育つので、他の植物との株間は80センチ以上あけましょう。
春にタネまき・挿し木、春と秋に株分けで殖やします。
苗は大きく育つので、株間をあけて植え付けましょう。
利用法ですが、花付きの枝をそのまま吊るすと、虫よけになります。
葉、茎の粉末を草花にふりかけると、殺虫剤になります。
葉は、花とは違う強い香りに殺菌・防虫効果があります。
まとめ
いかがでしたか。
まずは、お庭の片隅やベランダのちょっとしたスペースにハーブの苗をいくつか植えてみませんか。
ハーブはとても丈夫で、すくすく育ち、いい香りがいっぱいに広がりますよ。