「暗記しなければならない。。」
「暗記したいのにできない。。」
生活していれば必ず、何かを暗記する必要がある瞬間が訪れます。
もちろん、一度や二度ではなく何度も何度も…。
人によっては毎日のようにその場面に遭遇し、それこそ数え切れないほど訪れることもあるでしょう。
学生であれば、勉強全般で暗記が重要になりますし、社会人であれば仕事のノウハウ、英会話を習っている方であれば英単語や発音や文法、時には暗証番号や買い物で購入予定のもの、人の顔と名前であったり、地図やら恋人の誕生日など、常に暗記が必要なものがでてきます。
でもなかなか覚えられない…覚えたはずなのにすぐ忘れてしまう…。
そんな経験をした方は多いはず。
実は覚えられないことにも、忘れてしまうことにも、原因があるんです。
人の記憶には「短期記憶」と「長期記憶」がある
人の記憶は、二種類あります。
すぐに忘れてしまう短期記憶。いつまでも覚えている長期記憶です。
人は本来、目に映った映像は全て脳内に保管されるのですが、短期記憶の場合は短いと20秒前後、長くても数十分で綺麗さっぱり忘れてしまい、二度と思い出せなくなります。
また、人は一説によると、一瞬で7つ前後のものしか認識できない(マジックナンバーと呼ばれるもの)という、何とも頼りない情報処理能力しか持っていないそうです。
「あれ?、でも一回しか見ていないのに覚えてるものがあるぞ?」と、思った方もいらっしゃるでしょう。
そう、それが長期記憶です。
誰しもが暗記しておきたいものは、やはり長期記憶にして長い間覚えておきたいはず。
でも、短期記憶になってしまう時と、長期記憶になる時ってどう違うんだろう…?
「意識の差」が重要
人は物事を記憶するとき、まずは全て短期記憶として覚えるのです。
何気なく目に入ったものでも、机にかじり付いて勉強したものでも同じです。
その後、脳が「この情報は覚えておく価値のあるものだ」と判断した情報が、長期記憶に移行します。
「興味のないものを見ても覚えてない」
「好きなものは細かいところまで覚えている」
という経験を思い浮かべると分かり易いと思います。
興味がないと特に意識しないし、ぼーっと見てしまい、好きなものは意識をそこに傾けます。
自然と、脳がこれを覚えようとする姿勢になっているため、長期記憶として残りやすいのです。
嫌いなものでも、覚えようと意識しながら取り組むと、脳は同じような状態になり、覚えたものを長期記憶へ移行してくれます。
「体調」も整えるといい
暗記も、スポーツと同じです。
気分が悪い時、怪我をしている時は、相対的にパフォーマンスが落ち、思うような成果を得ることは出来ません。
集中力も出なくなります。
適切な食事、適度な運動、快適な睡眠が、脳の良い状態を支えてくれます。
栄養が不足すると当然、脳が働くためのエネルギーも足りなくなります。
また、健康な身体は、快適な気分を作り脳へのストレスを軽減し、睡眠は脳の休息に必要不可欠です。
例として徹夜ですが、一晩徹夜すると脳へのダメージが大きく、元の状態になるまで約3日もかかってしまいますので、睡眠は特に毎日取った方が良いでしょう。
「五感」を使うのがいい
昔からある有名な方法として「声を出す」などがありますが、これはとても有効です。
例えば、文章を覚える時にただの文章として見ると、本当にただの文字とだけ脳は認識しますが、声を出すことにより、しゃべる行為、その音を自分の耳で聞く、など複数の情報や経験と関連付けることが出来ます。
実は、この関連付けが暗記の最も重要な要素の一つでして、覚えたことを他の様々な記憶と結びつけることにより、その記憶にアクセスしやすくなるのです。
同様に、匂いや手触り、音や日時、その時のシチュエーションなどを関連付けることで暗記しやすくなるため、対象そのものだけでなく、五感を使って周りの要素ごと覚えてしまうと良いです。
頭の中で「イメージ」するといい
これは、前述した記憶の関連付けも関係するのですが、頭の中で画として思い浮かべることで、情報量を少なくして、そこから芋づる式に詳細を思い出すことが出来る、という効果があります。
例えば、公園で父、母、娘の三人が並木道を歩いているとします。
父は、清潔感のある短髪で真面目そうな眼鏡をかけており、白いシャツと赤みがかった茶色いセーター、黒いジーパンを穿き靴は明るめの緑色、腕には高級な腕時計をし、向かって左側におり左手で娘の右手と手を繋いではにかんだような笑顔を浮かべて機嫌が良さそう、母は白い帽子で…ウサギの絵の描かれた娘の物であろうナップサックを左手に抱えていて…娘は…木は…天気は…遠くから車の走る音が…風が…と、
文章で表現するととても長く、そんなこと覚えてられないと思うようなことも、頭の中で一つの画を思い浮かべれば一瞬です。
文字ではなく、画で覚える方が断然楽になります。
研究によると、文字を箇条書きで覚えた記憶は、次の日には忘れてしまう人が多かったけれど、画で覚えた記憶は、数日から一週間程覚えていた人が多かったそうです。
画で覚えられないものでも、そのものを連想させる何かに置き換えて(語呂合わせ等)頭の中で画を作る方法で暗記することができます。
まとめ
いかがでしたか。
大事なことは、
- 覚えようと意識をする
- 体調を整え脳をベストな状態にする
- 同時に五感を使い記憶の関連付けをする
- 画でイメージし情報を覚えやすくする
の4点となります。
これらさえ押さえておけば、簡単に暗記を行うことが出来るようになることでしょう。