あと半月ほどで、4年に一度のスポーツの祭典、平昌冬季オリンピックが開催されます。
2年前のリオデジャネイロ夏季オリンピックの興奮と感動が記憶に新しいところですが、冬の競技も、また大変魅力的です。
日本人はじめ、各国選手の熱い戦いが今から待ち遠しい想いです。
その中でもフィギュアスケートは、冬の競技の花といってもよい、メインイベントでしょう。
日本選手もメダルが大変期待される種目です。
今回は、フィギュアスケートの魅力と見所について、ご紹介しましょう。
フィギュアスケートの歴史は?
フィギュアスケートは、ご存じのように氷の上をステンレスの刃が付いた靴を履いて滑っていく競技です。
見た目はある意味、非常に原始的です。
実は石器時代の発掘調査で、大昔の北欧の人々も、動物の骨を使って氷の上を滑ることを行っていたとされています。
湖などの氷の上を、楽に進むための人間の知恵だったのでしょうか。
スポーツとしてはヨーロッパで発祥し、1900年代の初頭にオリンピック種目となりました。日本では欧米から明治時代に伝わり、東北で競技が始まったとされています。
オリンピック以外では最も権威ある大会、世界選手権はもう100年以上。
日本国内で最高峰の大会の全日本選手権も90年近い歴史がある、さまざまなスポーツの中でも老舗に入る競技だといえるでしょう。
フィギュアスケート競技とは?
オリンピックの種目は、現在はシングル、ペア、アイスダンスとこれらを組み合わせた団体の4つとなっています。
シングルは、男女でそれぞれ行われます。
フィギュアスケートは、採点競技です。
各選手が抽選などで決めた順番に従って、一人、あるいは一組ずつ、規定の時間以内でアイスリンク上で競技を行い、これを審判団が採点します。
最終的に最も得点が高い選手、あるいはチームが優勝となります。
フィギュアスケートはその歴史の長さもあり、ルールが非常に細かく何度も変更され、極めて詳細に多岐にわたり定められています。
毎年細かい点で見直しも行われますので、完全にルールをすべて把握するのは、一般のファンにはなかなかハードルが高い競技だといえます。
フィギュア観戦の魅力と見所は?
ただ、完全には分からなくとも、大まかに次のことに注目しながら観戦すれば、十分楽しめます。
日本人になじみの深い、シングルの競技を例にご説明しましょう。
フィギュアの演技は、大きくいくつかの要素で成り立っています。
ジャンプ、スピン、ステップシークエンス、スパイラルなどです。
このうちジャンプは、見た目も派手で非常に分かりやすいパートです。
3回転、4回転など空中での横回転数によって難易度が異なるほか、サルコウ、ルッツなど、踏み切り方などによって6種類の跳び方に分かれます。
これが細かくポイント付けされているわけですが、おおまかに言って、他のジャンプより半回転多い「アクセルジャンプ」が最も難しく、さらに現在は、男子の各種の4回転ジャンプが最高難度となっていますので、これが成功するかどうかに注目すればよいでしょう。
女子の場合はコンビネーションで、3回転を2度続けるジャンプを多くのトップ選手が取り入れています。
これらの難しいジャンプはそれだけ得点も高いので、観戦のうえでは一番のポイントだといえるでしょう。
「肉体の総合芸術」ともいえるフィギュア
フィギュアスケートが他の競技と大きく異なるのは、芸術性やエンターテイメント性が演技の大きな部分を占めているという点です。
各選手は衣装や音楽に趣向を凝らし、振り付けなども専門の有名なコーチのもとで時間をかけて練り上げます。
男女とも最大4分程度の演技時間の中で、最大60メートル×30メートルの楕円形のリンクを最大限に使い、自分の表現したい世界観を演じます。
大変なスポーツ性とともに、まるでオペラやミュージカルのように、芸術性も精いっぱい表現しなければなりません。
芸術性の部分も、得点の重要なポイントになります。
ある意味で、フィギュアは肉体と技術、感性をすべて極限まで使う、人間の総合表現舞台だともいえます。
ですから、観戦の際は、音楽や振り付け、選手の動き、表情など、プログラム全体を見聞きし、選手が表現したい世界に浸ることも大切です。
アップテンポなダンサブルなプログラムが得意な選手、クラシカルなしっとりとした踊りが好きな選手など、個性もさまざまですので、こうした点もフィギュアの楽しみの一つといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
このように、非常に複雑でメンタル力も求められ、難易度が高い競技ですので、ミスなく演技が終了したときの感動は、ひとしおのものがあります。
選手自身も歓喜しますし、会場内は全員総立ちで拍手を送ります。
そして得点発表の瞬間。
順位はどうか。
会場全員がかたずをのんで見守るのは、スリル満点な時間です。
平昌オリンピックでは、男子シングルでは羽生結弦選手や宇野昌磨選手の金メダル、銀メダルも期待されます。
女子では最強のロシア勢に対し、宮原知子選手と新進気鋭の坂本花織選手が戦いを挑みます。
彼らの活躍を、心から応援したいと思います。