【パラリンピックとは違う】選手同士が手話で親睦を深める国際スポーツ大会「デフリンピック」とは? ~目的/歴史/ロゴマークの意味/競技種目一覧/認知度/参加出場資格/ルール/スタートランプ/補聴器~

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出典:公益財団法人日本障がい者スポーツ協会

障害者のオリンピックと言うと、パラリンピックを連想しますが、聴覚障害者の国際スポーツ大会である、デフリンピックという大会もあるんです。

2017年は、7月18日からトルコの黒海沿岸の都市サムスンで、第23回夏季大会が開催され、97の国と地域から3000人を超える選手が出場し、日本は過去最多となる27個のメダルを獲得しました。

デフリンピックとは

デフリンピックとは、世界規模で行われる聴覚障害者のための総合スポーツ競技大会のことで、オリンピックやパラリンピックのような位置付けの大会です。

こちらも、オリンピックやパラリンピックと同じく4年に1回開催され、夏季大会と冬季大会があります。

出典:公益財団法人日本障がい者スポーツ協会

1924年にフランスで夏季大会、1949年にオーストリアで冬季大会が初めて開催され、パラリンピックより歴史が長い、国際ろう者スポーツ委員会(英語:ICSD、仏語:CISS)が主催する国際競技大会です。

初めは、国際ろう者競技大会という名称でしたが、1967年に世界ろう者競技大会(World Games of the Deaf)に名称変更し、さらに2001年に、国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得て、現在の名称となりました。

これは、ろう者(Deaf)&オリンピック(Olympics)の造語で、ろう者のオリンピックという意味を持ちます。

ろう者自身が運営するろう者のための国際スポーツ大会で、参加者が国際手話にジェスチャーや表情などを加えて、世界中の人と友好を深められるところに大きな特徴があります。

デフリンピックへの参加資格

デフリンピックへの参加資格は、補聴器や人工内耳などを外した状態で、聴力の平均値が55デジベルを超えている聴覚障害者で、各国のろう者スポーツ協会に登録していることが条件となっています。

出典:全日本ろうあ連盟スポーツ委員会

また、全ての選手が耳の聞こえない立場でプレーするという公平性の観点により、競技会場に入ったら練習時間や試合中は、補聴器などを装用することは禁止されています。

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パラリンピックとデフリンピック

出典:全日本ろうあ連盟スポーツ委員会デフリンピック啓発サイト

実は、聴覚障害者はパラリンピックに出場できません。

パラリンピックに参加するには、国際パラリンピック委員会に加盟する必要がありますが、国際ろう者スポーツ委員会が、この委員会に加盟していないことが理由です。

国際パラリンピック委員会が発足した1989年時点では、国際ろう者スポーツ委員会も加盟していましたが、デフリンピックの独創性を追求するために、1995年に組織を離れました。

なお、デフリンピックの独創性とは、コミュニケーション全てが国際手話によって行われ、競技では、スタートの音や審判の声による合図を視覚的に工夫しているところにあります。

たとえば、陸上や水泳では、号砲の代わりにスタートランプを使ったり、柔道や空手では、審判が笛を吹くと試合場の端にあるランプが点灯します。

また、バスケットのゴールにもランプがついています。

スノーボードやアルペンスキーのスタートもランプの色で知らせます。

クロスカントリーでは、一般的なルールとして前を走る選手を追い越すときに声をかけますが、代わりにストックで前の人のストックをたたきます。

それ以外は、オリンピックと同じルールで運営されるので、競技としてのレベルが高いものとなっています。

デフリンピックの公式ロゴマーク

「OK」「GOOD」「GREAT」の手の形をイメージしたものを重ね、さらに結束を表現したマークとなっています。

ロゴマーク中央は「目」を表し、ろう者が視覚中心の生活を営んでいることを示しています。

また、赤・青・黄・緑の4色は、4つの地域連合であるアジア太平洋、ヨーロッパ、全アメリカ、アフリカを表現しています。

出典:全日本ろうあ連盟スポーツ委員会デフリンピック啓発サイト

自身も聴覚障害者のデザイナーであるラルフ・フェルナンデス作で、ろう者スポーツのコミュニティをポジティブ、かつパワフルにつなぐものとなっています。

デフリンピックの競技

夏は陸上や空手、テコンドー、レスリング、射撃など20競技、冬はスキーやスノーボードなど5競技が行われます。

第23回夏季大会の結果

2017年は、7月18日からトルコの黒海沿岸の都市サムスンで第23回夏季大会が開催され、97の国と地域から3000人を超える選手が出場し、日本は過去最多となる27個のメダルを獲得しました。

今回の大会では、日本は、バレーボール女子で16年ぶりとなる金メダルを獲得したほか、陸上や水泳などでも好成績を収め、金メダル6個、銀メダル9個、銅メダル12個の合わせて27個のメダルを獲得しました。

これは、前回のブルガリア大会で獲得した21個を上回る、過去最多のメダルでした。

出典:全日本ろうあ連盟スポーツ委員会

国別のメダル獲得数としては、大選手団を送り込んだロシアとウクライナが圧倒的な強さを見せましたが、日本も韓国や開催国のトルコなどに続いて7位となり、前回の10位を上回る健闘を見せました。

まとめ

いかがでしたか。

オリンピックなどの他大会では、選手全員と交流するのは難しいでしょうが、デフリンピックの場合は、音声言語を使わないろう者同士、国際手話にジェスチャーや表情などを加えてすぐにコミュニケーションがとれてしまうのです。

デフリンピックのそういう良さを知ってもらうことも大事だと思います。

出典:全日本ろうあ連盟スポーツ委員会

スタートの合図がランプで知らされたり、国際手話で選手同士の交流があったりと様々な違いがあるこの大会。

メディアの露出はないかもしれませんが、注目して見てはいかがでしょうか。

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