ハーブとは、人の暮らしに役立つ植物のことです。
薬草として、料理の薬味として、またポプリや入浴剤など香りを楽しむ香草として、さまざまな楽しみ方ができるのがハーブです。
使い方を考えて、育てたいハーブを選んでみましょう。
今回は、たくさんあるハーブのなかでも、オススメのハーブを5つご紹介します。
民間薬として昔から親しまれている「アロエ」
日本では、南アフリカ原産のキダチアロエが一般的です。
別名はなく、和名はキダチロカイ、ユリ科の多年草となります。
肉厚の葉に水を貯えるため、とても乾燥に強く丈夫な植物です。
食用に利用されるのは、アロエ・ベラという種類です。
育て方ですが、日当たりのよい乾燥した場所と、水はけがよく、やせ気味の土を好みます。
砂土やアルカリ性の土でも、よく育ちます。
一年を通して乾燥気味に管理し、春から秋は、土の表面が乾ききったら水を与え、冬は水やり不要です。
霜にあうと、すぐ傷んでしまうので注意しましょう。
春から秋に、葉挿し・株分けをして殖やします。
利用法ですが、葉の皮をむいて、中のゼリー状の肉や汁を利用します。
葉は、いつでも必要なときに切り取って利用できます。
皮をむいて薄く切ったり、すりおろして傷口に塗ったりします。
火傷や切り傷、虫刺されなど幅広く活用されていますが、妊娠中や痔疾の方は利用しないでください。
清涼感のある甘くスパイシーな香り「エストラゴン」
フランス料理には欠かせないハーブのひとつです。
別名はタラゴン、フレンチタラゴンで、キク科の多年草となります。
甘い香りとピリッとした苦味があり、食欲を促進する効果があります。
似ているものに、ロシアンタラゴンがありますが、香りはエストラゴンより淡いようです。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく肥沃な土を好みます。
寒さにとても強く丈夫で、コンテナ植えでもよく育ちますが、花はまれにしか咲かず、実を結ぶことも少ないため、春か秋に挿し木・株分けで殖やします。
2~3年経つと香りが落ちるので、株分けを兼ねて、株を更新しましょう。
冬は地上部が枯れるので、バークなどで土を覆ってやります。
苗は、細い葉が密集してついているものを選びましょう。
利用法ですが、特にエスカルゴ料理との相性がよく、フランス料理に用いるハーブミックスには欠かせないハーブです。
乾燥すると香りや風味が落ちるので、生の葉をビネガーやオイル漬けにして保存します。
葉は、必要なときにいつでも収穫して利用できます。
コンテナ植えは、ひと株植えで楽しむ「コンフリー」
繁殖力が強くとても丈夫で、日本には飼料用として輸入されました。
別名はニットボーンで、和名はヒレハリソウ、ムラサキ科の多年草となります。
のどの痛みや咳止めに効果があり、生の葉をもんで湿布の代わりにすると、打ち身や捻挫の痛みを和らげるといわれています。
育て方ですが、日当たりのよい場所と、水はけがよく肥沃で、湿り気のある土を好みますが、日光が不足する場所や荒地でも育ち、放置していても大きな株に育ちます。
茂りすぎたら、適度に株分けをして整理します。
コンテナ植えの場合は、ひとつの容器に、ひと株を植えつけます。
春か秋に、タネまき・株分けで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
利用法ですが、若葉は天ぷらやおひたしに、乾燥させた葉は、ハーブティーや入浴剤として利用できます。
また、葉を堆肥づくりに利用すると、良質の堆肥ができます。
植物の根元に置いて、マルチングとしても使えます。
根には、アルカロイドという毒性の成分が多く含まれていますので、根や大量の葉を自己流で使用するのは避けましょう。
ほのかにリンゴの香りがする「スイートジョパイ」
花は薄いピンク色で、茎の先にいくつもの小さな花が集まって咲きます。
葉を揉むと、淡くリンゴの香りがします。
別名はなく、和名はヒヨドリバナ、キク科の多年草となります。
利尿、強壮に効果があるとされていますが、肝臓を害する可能性のある成分が含まれるため、飲食用にはなりません。
花はフワフワとピンク色の花がいくつも付き、薄ピンク色の小花が集まって花穂になっていますので、群植すると花期には見事です。
育て方ですが、日なたから半日かげとなる湿り気のある場所と、水はけと保水性のよい肥沃な土を好みます。
寒さに強く丈夫でよく育ちますが、大きな株になるので、株間を40センチ程度あけて植えつけるとよいでしょう。
コンテナ植えの場合は、大型の容器を選び、夏はできるだけ涼しい場所で管理します。
春か秋にタネまき、春に挿し木・株分けで殖やします。
こぼれダネでもよく発芽します。
利用法ですが、フジバカマに似た花は、花穂ごと切り取ります。
観賞用としても美しく、ドライフラワーにして楽しめます。
ポプリには、よく乾燥させて細かく砕いた葉や茎とあわせます。
タネは、ピンク色の染料となります。
そのまま食べても、ジャムにしても「ワイルドストロベリー」
花も実も楽しめる可憐な野イチゴです。
春に、小さいが輪郭がはっきりとして美しい白い花が咲いたあと、小さな実がなります。
別名はヨーロッパクサイチゴ、和名はエゾヘビイチゴで、バラ科の多年草となります。
熟した実には、ビタミンCやミネラル分が豊富に含まれ、美容効果や貧血の予防に効果があります。
育て方ですが、よく日の当たる湿った場所と、水はけがよく保水性のある肥沃な土を好みます。
丈夫でよく育ちますが、高温による乾燥と蒸れが苦手です。
庭植えでは、夏に強い西日の当たらない場所を選んで植えつけ、根元の土の乾燥を防ぐため、バークなどで根元を覆います。
コンテナ植えの場合は、植えつける土に砂やパーライトなどを混ぜて水はけをよくして、水切れしないように管理します。
枯れた下草や雑草をこまめに取り除くと、実が大きく育ちます。
春か秋にタネまき、株分けで殖やします。
夏にランナーを伸ばし小苗ができるので、9~10月に切り取って植えつけて、殖やすこともできます。
苗は、日当たりのよい湿った場所に植えつけます。
利用法ですが、充分熟した実は、野の味わいで、甘酸っぱい味を楽しめます。
そのまま生で味わうほか、ジャムやジュースにしたり、乾燥させてハーブティーにして楽しみます。
葉もティーにして楽しめます。
まとめ
いかがでしたか。
まずは、お庭の片隅やベランダのちょっとしたスペースにハーブの苗をいくつか植えてみませんか。
ハーブはとても丈夫で、すくすく育ち、いい香りがいっぱいに広がりますよ。