「映画に負けない日本一のドラマを作る」を合言葉に誕生し、50年以上もの間放送され続けてきた「大河ドラマ」。
上辺だけの歴史授業ではわからない歴史の舞台裏などを知れる「大河ドラマ」は、とてもタメになりますよね。
また、意外な俳優さんが出演していたり、着物姿が美しい女優さんなど見所も多く、見る者を飽きさせません。
そこで今回は、独断と偏見で選んだ「大河ドラマ」5選をご紹介します。
東北の都「平泉」に君臨した奥州藤原氏の4代にわたる興亡史「炎立つ」
1993年7月から1994年3月に放送された第32作目の作品です。
平安時代の朝廷と東北地方の関わり、さらには奥州藤原氏が滅亡する鎌倉時代までを三部構成で描く、高橋克彦の原作です。
このドラマのために建てられたオープンセットは、撮影終了後も「えさし藤原の郷」となり、テーマパーク兼撮影所として多くのドラマや映画の撮影に利用されています。
本作品は、大河ドラマ史上初となる年を跨いでの放送でした。
第一部は奥州藤原氏の思想とも言える藤原経清の生涯、第二部は藤原清衛が奥州を制圧するまでを、そして第三部では奥州藤原氏が滅亡する時代を描きます。
大河ドラマ「炎立つ」
小田忠平(稲垣吾郎) ・藤原経清の郎党。忠平の家は代々経清の家に仕える従類であるが、幼少より経清のそばに出仕を命じられ、ともに成長する。亘理屈指の武者であり、前九年合戦でも、最後まで経清の片腕として活躍する。 pic.twitter.com/NyxMlObXc4— chie (@bluemoon560san) April 6, 2017
大河ドラマは、通常1人の人間を追いかけることが主流ですが、この作品については3部構成でそれぞれに主役を置いた歴史を、それも長きにわたる奥州藤原氏の歴史を描写。
やはり地元、東北が舞台になったのが印象深いです。
伊達政宗、八重の桜などその中でも忘れられないのが『炎立つ』です。
中央の権力による理不尽な仕打ちに憤りとショックを感じながら観ました渡辺謙さんが、藤原氏一代と三代の役をつとめられましたね☺️🍀 pic.twitter.com/COLQ6CiBSE
— らぶきち (@CrdbZSHBjIiIBic) April 20, 2023
藤原氏だけではなく、安倍氏、源氏など時代を彩った名家との争いもあり、その中心にある奥州藤原氏の位置づけがどうであったかを探る歴史検証の場でもあるでしょう。
若き指導者の苦悩と葛藤の半生を描く「徳川慶喜」
1998年に放送された第37作目の作品です。
260年余り続いた江戸幕府の最後の将軍「徳川慶喜(よしのぶ)」を通し、日本史上最大の動乱期である幕末を幕府側から描いた作品。
たくましく生きる江戸庶民の日常や、下級武士の生活を織り交ぜながら、国を背負い、命がけで時代と格闘した若き指導者「徳川慶喜」の苦悩と葛藤の半生を描く。
司馬遼太郎氏の同名小説を原作とし、260年に渡る栄華を誇った徳川氏の最後の将軍、十五代徳川慶喜の視点から幕末の政治の姿を描いています。
つよぽんが慶喜か✨
大河で徳川慶喜といえば、私の中のでは永遠に本木さん😚
これ22年前だけど…美しい❤️
つよぽんの演技は好きだから楽しみだわ🎵 #大河ドラマ #草彅剛 #本木雅弘 pic.twitter.com/SRwJ2egGvG— SUZ (@mashasy) July 10, 2020
幕末の非常に複雑な対立構造、徳川慶喜が歴史上あまり主だった動きがなかったことを、多くの登場人物の存在から際立たせることになります。
しかしながら、時代に翻弄されながらも、徳川家の最後を見届ける徳川慶喜の悲しき姿、そして大きく変わる時代の流れを、この大河ドラマを通じて感じることができます。
1998年大河の『徳川慶喜』を見る📺️
『青天を衝け』と比べると、本木慶喜は淡々と物語が進行してギャグパートも殆どない印象。妻曰く、
『青天と比べて、何か盛り上がりにかけるなあ…やっぱり、大河ってマジメな構成になっちまうんだねえ…』……いや、青天を衝けも大河ですけど…😓 pic.twitter.com/DqDbum3h3F
— レオ (@nikukyu0721) July 22, 2021
幕末のドラマと言えば、どうしても明治維新への動きが大きく取りざたされていますが、このドラマの中ではあまり大きく見ることができません。
あくまでも、徳川慶喜が見た幕末と言う視点に終始しています。
そして、この悲運の15代将軍を演じたのが本木雅弘さんであり、実際に残っている白黒写真と同じく、その前に物悲しさを浮かべる演技力に感服したことをよく覚えています。
最後の将軍として自分自身がどう振る舞うべきか、江戸幕府の最後を見届けた悲しい人生を本当にうまくまとめられていた作品です。
時代に左右される男性として、徳川慶喜は本当に魅力的な男性だったのではないかと、個人的には感じました。
未曾有の国難「蒙古襲来」に毅然と立ち向かった「北条時宗」
2001年に放送された第40作目の作品です。
鎌倉時代中期の権力闘争に明け暮れた北条政権時代、18歳の若さで鎌倉幕府の第八代執権となり、2度にわたる蒙古(もうこ)襲来という未曽有の難局に果敢に立ち向かった時宗の34年の生涯を、時宗と異母兄・北条時輔(ときすけ)を取り巻く人々の愛と憎しみを中心に、CGやデジタル合成技術、TV史上に残る大迫力のシーンが満載されたモンゴルロケも交えて国際色豊かに描く力作です。
主演は、プロレスデビューも果たした狂言師でタレントの和泉元彌が務め、話題を呼びました。
大河ドラマで初めて鎌倉時代中期を舞台とした作品で、原作は高橋克彦。
#雑な説明で好きな大河ドラマを紹介する #北条時宗
詳しく知らない異民族(モンゴル)からの「使節」に困惑し、ゴタゴタしているうちに「戦争」になり、なんやかんや懸命に戦った結果、勝ってしまう話😅
足利尊氏公の「御先祖✨」達が登場する貴重な作品でもあります🤩 pic.twitter.com/K4FxybeTss— 小松士郎 来年・再来年の「大河」に絶望中😭 (@sh_koma) May 3, 2023
大河ドラマとしては珍しく、西洋人の貿易商人や当時の元王朝初代皇帝、イスラム教徒の宰相まで登場するなど、初めての試みも行われました。
なにやら「ワニがどうした」とか「百日がどうした」とかで騒がしいのだが特に目新しい技法とも思われない。
皆はNHK大河の「北条時宗」を見てないのか?
あれなんか「蒙古襲来まであと~日!」と毎回、ラストに大きく表示されるのだが第8話の時なんか「あと4914日」だったぞ... pic.twitter.com/43eUp00BGF— 阿部隆史@ジェネラル・サポート (@GS_abetakashi) March 21, 2020
社会が混乱気味であった鎌倉中期に、北条家の様々な家督争いにもまれながらも、西洋、中国などあらゆる国際的な動きをもとにした広い視野を持ち、鎌倉時代を立て直そうとする北条時宗の姿を描きます。
推しというか、大河ドラマをちゃんと見たのが北条時宗で、中でも特に渡部篤郎さんの北条時輔のキャラクターが好きだった。この大河、世間的には評判悪かったけど面白かったと思うんだよなあ。ポスターも良かった#お前ら大河ドラマの最初の推し誰だよ pic.twitter.com/9UIuD7NzaN
— なぎ (@fuminagii) December 14, 2022
しかしながら、近親者や幕府の反勢力との争いに苦しみ、どのように鎌倉時代を平安に導くかを模索する姿を明実に表しています。
冒頭にも記載の通り、これだけ海外の影響、海外の状況を描く大河ドラマは他にはなかったと言えるでしょう。
福山雅治主演の「新しい坂本龍馬の姿」を描いた「龍馬伝」
2010年に放送された第49作の作品。
「幕末史の奇跡」と呼ばれた風雲児「坂本龍馬」。
この土佐に生まれた名もなき男が、幕末の動乱で薩長同盟に尽力し、明治維新を大きく進める原動力となりました。
土佐から江戸、そして世界へ。
龍馬の行くところ、時代が怒とうのように動きはじめます。
この龍馬33年の生涯を、幕末から明治にかけての屈指の経済人で三菱財閥の礎を築いた岩崎弥太郎の視線から描写。
大河見直し。
今年も軽い軽い、重厚感ないんだよね。
撮っても消しちゃうなぁ。おっさんだから、その辺求めてる。
見直してみても葵三代、龍馬伝、真田丸だけだ。ここ数十年は。
もっと古いのはみんな秀作。 pic.twitter.com/K3HTRSQu3W
— shoジ2023レース参戦します!スポンサー様募集中🙇♂️ (@EP_Meister82) March 2, 2023
主演は福山雅治さんで、1968年の「竜馬がゆく」以来の坂本龍馬を主人公とする大河ドラマ。
脚本は「HERO」や「ガリレオ」、「CHANGE」などを手がける福田靖氏で、三菱財閥の礎を築く岩崎弥太郎の視点から描いた原作なしのオリジナル作品。
坂本龍馬をテーマにしていますが、新たな視点として、後の三菱グループの始祖である作品にも登場する岩崎弥太郎が、坂本龍馬の生涯を語る形で物語が進行。
そろそろまた大河の話来ないかなあ、と思って龍馬伝をひっぱり出してきて見てる。こういう怖い近藤さんみたいな役をまたお願いします。 pic.twitter.com/q8H404GTar
— benisuzu (@benisuzu) September 17, 2018
4部構成で放送され、誰もが知る幕末の英雄「坂本龍馬」の活躍を生まれた時から江戸、そして世界に向けて活躍する姿を、坂本龍馬を取り巻く様々な人間と共に描く作品です。
最終的な薩長同盟に尽力し、明治維新を推し進めるに当たった功績までを描き、最終的に寺田屋事件で命を失うところまでが、この作品のストーリーとなっています。
随所に、これまでの坂本龍馬を描くストーリーとは違うエピソードが盛り込まれているところも特徴です。
憧れは龍馬伝の「坂本龍馬」、若い世代に静かに広がる大河ブーム https://t.co/HOjVOx5G5h pic.twitter.com/xcDlBpJFDh
— PR TIMESニュース (@PRTIMES_NEWS) June 8, 2021
明治維新、そして日本の近代化に最も貢献したのがやはり、坂本龍馬であると認識させてくれる「新しい坂本龍馬の姿」を描いた作品です。
少し頑固者なイメージがある坂本龍馬を、福山雅治さんが演じることによってかなりマイルドになっています。
そして、なんとも渋いのが、現実世界でも坂本龍馬をこよなく愛する武田鉄矢さんを龍馬の師匠にあたる勝海舟にキャスティングしたところ。
また、岩崎弥太郎の回想をベースとし、ストーリーが進んでいくのも斬新でした。
地生臭い明治維新とは少し違った感覚を抱かせてくれる作品。
内容そのものは史実に忠実であり、さらに脇を固める役者さんたちもかなり豪華なので、毎週チェックすることが楽しみでした。
史実に忠実に描きながらも、新たな坂本龍馬のイメージを築くことができるのだなと、ファンとしては目からウロコだったことを今でも覚えています。
「近現代大河3部作」完結編「いだてん〜東京オリムピック噺〜」
2019年に放送された第58作の作品で、日本の近代スポーツの発展とオリンピック開催に尽力したスポーツ関係者の歴史群像劇です。
「近現代大河3部作」の完結編として位置付けられています。
日本人で初めてオリンピックに参加した金栗四三と、日本にオリンピックを招致した田畑政治(日本水泳連盟元会長)。
この2人がいなければ、日本のオリンピックはありませんでした。
#いだてん#生田斗真#天狗倶楽部 の #三島弥彦 の母上も凄かった❗️#三島和歌子 が仕込み杖でボールを切るシーン。
共演者の #ビートたけし のオマージュか、まるで #座頭市 の #居合斬り
次回も第1話の伏線の回収。
こんな遊び心満載の大河、最高‼️ pic.twitter.com/0PVLIPKLyY— つよしゃんぷぅ (@pskoumei) January 20, 2019
初参加で大惨敗を喫した1912年「ストックホルム」から、1964年の東京オリンピックが実現するまでの激動の半世紀を豪華キャストで描く。
ここまで知名度のない人物が大河ドラマの主役となることは、まさしく異例中の異例と言える出来事でした。
金栗四三役の中村勘九郎さんをはじめ、田畑政治役には阿部サダヲさん、金栗四三の妻・春野(池部)スヤ役には綾瀬はるかさんなど、有名な俳優陣が名を連ねています。
大河ドラマのいだてん、、。
あんまり大河見ないけど
これはほんと最高🥺✨
オープニングテーマて早送りするのに、いだてんのは毎回見入ってしまう。シーズンによって変わるしその度涙🥺🥺🥺オリンピック見に行きたいー😭#いだてん最高じゃんねぇ#いだてん#クドカン#宮藤官九郎 #阿部サダヲ pic.twitter.com/OgnX78yf6j
— naaaaao (@nao83ma) November 4, 2019
物語は「日本のマラソンの父」と言われた金栗四三が主人公の第1部と、東京オリンピック招致に尽力した田畑政治が主人公の第2部に分かれており、第1部で明治末と大正、第2部で戦前、戦後の昭和という4つの時代が描かれます。
なお、主人公が作中で変わる「リレー形式」となるのは「葵 徳川三代」以来、19年ぶり。
そして、明治以降の日本の近現代のみを舞台とした現代劇路線は、1986年放映の「いのち」以来、33年ぶりでした。
いだてん、ついに完結。平成から令和を繋いだ2019年の大河が「いだてん」でよかった!1年間、毎週本当に楽しかったです。たくさんの笑いと涙をありがとうございました!大好きな大河ドラマです。#いだてん #絵だてん #いだてん完走 pic.twitter.com/I10MJY3uCb
— KEI-CO (@keico) December 15, 2019
大河ドラマでは鬼門とされていた近代を舞台にした作品でしたが、スポーツと落語を題材にすることで見事に描き切り、大河ドラマの新境地を切り開く作品となりました。
脚本を担当したのは「クドカン」こと宮藤官九郎さんで、4年近い月日をかけて完成させたオリジナル作品として話題を集めます。
いだてんは個人的に大河史上No.1の傑作。どんな事があっても決して東京オリンピックを諦めなかった日本人の噺。きっと東京2020が延期となった今なら、ひとつひとつのシーンや台詞が心に響くはず。
観たことない人ぜひ観て!
いだてん観て来年までボルテージ上げてけばいいじゃんねえ!!#いだてん pic.twitter.com/rJle13KWYf— かえで🍁 (@10969kaefag) March 24, 2020
脚本家である宮藤官九郎さんは、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で一大センセーションを巻き起こしましたが、大河ドラマは初執筆でした。
1964年の東京オリンピックが開かれるまでの遡ること約50年間にわたるオリンピック招致までの流れが、2人の主人公によって語られています。
また、スポーツ選手としての金栗の成長なども合わせて語られています。
さらに、第一次世界大戦、第二次世界大戦によって、どのようにオリンピックが影響を受けたかという客観的な視点も含めて作品の中では描かれています。
まとめ
いかがでしたか。
私はドラマを見るのが大好きですが、中でも「大河ドラマ」は歴史的な人物に焦点を当てたストーリー展開ですので、興味深い作品が多数あります。
どの作品も、独特の魅力が溢れていて、感動するものばかりです。
「大河ドラマ」をまだ見たことが無い方でも十分に楽しめる作品ばかりですので、是非、見て頂きたいと思います。
中には、ちょっと古い「大河ドラマ」も入っていますが、その分、若かりし頃の俳優さんたちの様子を見ることも出来ますので、また違った楽しみ方をすることもできますよ。