軽音楽の経験がある方なら分かるかと思いますが「当方ボーカル志望、作曲はできませんが作詞はできます」という人の書いてくる歌詞って、滅茶苦茶なこと多いですよね。
そもそも、一番と二番の文字数すら合っていないなんてこともざらで、歌詞というよりTwitter?みたいな感じです。
そこまでではないにしても、趣味で音楽をやっている方で、作詞に苦戦している方は多いのではないでしょうか。
今回は、作詞の教則本とは違った、私なりの切り口で、いい歌詞について考えていきたいと思います。
言葉は分かりやすい方がいい?
最近では、2ちゃんねる等で「桜散りすぎ、瞳閉じすぎ、会いたくて会えなさすぎ問題」が取り沙汰されており、その反動からか、誰も使わないような小難しい言葉を使った方がカッコいい、という風潮があるように感じます。
しかし、本当にそうでしょうか。
例えば、友達から「かの女至極艶麗につき、心射たれんこと甚だ蓋然的哉」なんてラインが来たらどうでしょう。
意味が分からないですよね。
ですが、これが「あの子めっちゃ可愛い!惚れてまうやろー」とかなら、「それなー」ってなるわけです。
何かを伝えたいなら、伝わりやすい方がいいに決まっているのです。
でも、「小難しい言葉を使って、人気のあるアーティストもいるじゃん!」って思う方もいるでしょう。
椎名林檎、ACIDMAN、UNISON SQUARE GARDEN、あたりがそうでしょうか。
しかし彼らは、言葉は小難しくとも、中身があって、きちんと伝わるべきリスナーに伝わっているから人気があるのです。
それを、ただ形だけ真似して中身がスカスカなのを、小難しい言葉で誤魔化すなんてのは、みっともないのでやめましょう。
もし、分かりやすいことで陳腐になるのが怖いなら、言葉はシンプルにしつつ、テーマに独自性を持たせればOKです。
これでかなり、オリジナリティが出るはずです。
メロディとの噛み合わせを意識しよう
「猫飼いたい」「チャーハン最高!」なんて、どうでもいい内容なのに、やたらカッコよかったり、逆にすごくいいこと言っているのに、刺さらなかったりする曲ってありますよね。
この両者の違いは、メロディとの整合性にあると思います。
例えば、「愛してる」を「あ(下)いしてる」と言えば「愛してる」に聞こえるが、「あ(上)いし(下)てる」と言うと「アイシティ」みたいに聞こえませんか。
ちなみに(上)(下)は、イントネーションを表しています。
普通に話す分には、後者の発音はしませんが、歌になると後者のようになってしまうことがあります。
いい歌詞というのは、上記のようなズレが少なく、普通に話す時のイントネーションとメロディに乗せたときのイントネーションが、なるべく合致しているものなのです。
あと「愛してる」で、サビ終わりが「あ」で終わり、二番頭が「いしてる」で始まるなどのように、切り方がおかしいのも整合性が低いと言えます。
歌詞とメロディの噛み合わせがよければ、どんなに下らない内容でも光る歌詞になります。
個人的には、これが上手なのが、スピッツと松任谷由実だと思います。
試しに、歌詞をワンフレーズ読む、歌う、読む、歌うと繰り返しましょう。
南こうせつさんが歌番組でよくやっている、あれです。
いかに、歌詞とメロディの整合性が高いか分かるでしょう。
自分の歌詞でも、同じことをすれば、ズレに気付いて修正することができます。
必殺フレーズは繰り返すべし!押韻も意識しよう
最後に、印象に残る歌詞として、韻とリフレインについて見ていきましょう。
例えば、ZARDの「負けないで」は、サビの頭に「負けないで」という必殺フレーズを繰り返し、印象を持たせています。
これが、リフレインです。
韻に関して言えば、全く同じ言葉ではなくとも、似た響きをもつ言葉を定位置に持ってくるといいでしょう。
例えば、Mr.Childrenの「Marshmallow day」のサビは、同じメロディに「チューインガム」と「注意深く」を持ってきて、韻を踏んでいます。
これを意識するだけで、大分印象深い歌詞になります。
もし押韻が苦手なら、替え歌をやってみるといいでしょう。
好きな歌の歌詞を、なるべく母音を揃えて意味をガラッと変える、この言葉遊びが、韻感覚を養ういいトレーニングになります。
まとめ
いかがでしょうか。
みなさんも素敵な歌詞で、リスナーのハートを鷲掴みにしていきましょう。