子どもや若い人の乗り物というイメージの強い自転車ですが、実際には死亡者数の3分の2を55歳以上の高齢者が占めます。
そして、死因となった部位のワーストワンは「頭部」。
通学中の小中学生がヘルメットをかぶっているのはよく見る風景ですが、大人はあまり見かけません。
大切な命を守るため、自転車に乗るときはヘルメットを着用しましょう。
頭部を守ることの重要性
自転車乗車中の事故で死亡する人は、年間に約500人弱。(出典:警察庁「交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について_平成27年」)
また、死因となった部位のワーストワンは「頭部」で、全死因の64%を占めます。
つまり、自転車死亡事故というものは「事故のはずみで頭を道路などに打ち付けて亡くなる」ことが大多数なのです。
また、死に至らずとも、重度の障害が残る事故に遭ってしまった人も多くいます。
不幸にして亡くなってしまった人や障害が残ってしまった人は、もしもヘルメットをかぶっていたらそこまでひどいことにはならずに済んだかもしれません。(自転車用ヘルメットは、衝撃を15分の1に低減するといわれています。)
腕や脚が折れても、多くの場合は、治療によって元に戻りますが、脳細胞は一度死ぬと元に戻ることはほとんどありません。
自転車は車道を通行するのが原則のため、クルマと接触する可能性は高く、事故の際には強いダメージを受けます。
そのときに最優先で守るべき場所は「頭」。
自転車に乗るときは必ずヘルメットをかぶりましょう。
大人でも気恥ずかしくないヘルメット
ヘルメットの大切さを知識としてわかっていても実際に使う人が少ない理由の一つは、自転車用のヘルメットが派手すぎるということがあるようです。
もともとレース用として発達してきたものなので、スポーツ用自転車に専用スーツで身を固めた人がかぶればサマになるのですが、普通の自転車に普段着で乗っているときは、たとえクロスバイクタイプの自転車でもちょっと大げさすぎるように感じるのは仕方ないところ。
ましてやシティサイクル(浴に言うところのママチャリ)に乗っている人がかぶる気になるとは思えません。
ですが最近は、普段着やちょっとおしゃれな格好でもサマになるような、落ち着いたデザインのヘルメットも販売されています。
特に女子にウケがよいのが、まるでおしゃれな帽子のようなファッション性に優れたデザインのヘルメット。
乗馬用帽子のようなシックなもの、チェック柄やヘリンボーン柄など英国を思わせるトラディショナルなものなどが人気のようです。
ヘルメット自体が帽子型になっているものや、シンプルなヘルメットがインナーになっており、そのうえに帽子型のアウターを重ねるような商品もあります。
また、スノーボーダーやスケートボーダーがかぶっているような小ぶりでシンプルなデザインのヘルメットも人気。
ただし、スノーボードやスケートボード用の製品は通気性があまり良くないため、自転車で使うと蒸れてしまいます。
自転車用に作られている製品を使うようにしましょう。
安全のために、もうワンポイント
突然クルマがすぐ横を走り抜けてドキッとした経験はありませんか。
そんなドキッを解消するためのグッズとして、バックミラーを使うのをお勧めします。
自転車のハンドルに装着するタイプのバックミラーは、近い範囲を広角で映すタイプが多いため、遠くから速いスピードで近づいてくるクルマには気づきにくいもの。
そこでおすすめしたいのが、ヘルメットのバイザーや、メガネやサングラスのフレームに取り付けるタイプの小さなバックミラー。
視線を少し移動させるだけで、後ろの状況を確認できますし、ハンドルに取り付けるタイプのバックミラーより何倍も遠くのクルマが目に入ります。
まだ、それほどメジャーな商品でないので種類はあまり多くありませんが、一度使うとそれなしで自転車に乗るのが怖くなるくらい。
ヘルメットとあわせておすすめしたいグッズです。