連載が終了しても、今なお人気が根強い作品として、かつ私が大好きな漫画として上げたいのが「北斗の拳」です。
様々な漫画を人生45年読んできましたが、最も印象に残っている漫画です。
そこで今回は、私自身が印象に残っている点や魅力を、具体的に挙げていきます。
作品の舞台
北斗の拳は、20世紀末の核戦争から始まっています。
人類が核戦争に走ってしまい、暴力と略奪の荒野に化した後が、作品の舞台になっています。
自分自身が幼かった頃、この作品の導入部分を見たときに
「人類が、本当にこのような過ちを犯してしまったら、どうしよう。」
と不安に思ったものです。
時代を経て大人になった今でも、微妙な均衡で保たれている世界を見ていると、いつ北斗の拳の時代が訪れるのではないかと不安になることもあります。
そして、このような時代に、世紀末救世主伝説と言うものが生まれ、主人公のケンシロウが、一子相伝の拳法、北斗神拳で時代を切り開いていく様は、爽快としか言いようがありません。
【魅力1】登場人物
様々な漫画がありますが、主人公だけではなく、脇役がこれだけ魅力的な漫画もなかなか少ないのではないかと思います。
まず、北斗神拳を伝承すべき伝承者争い。
ラオウ、トキ、ジャギ、ケンシロウ、それぞれのキャラクターが、この作品の中でも最も中心をなすものだと思います。
結果的には、ケンシロウが伝承者になることによって、様々な争いが起こってくることになります。
そして、北斗を継ぐ人間だけではなく、様々な拳法の使い手がケンシロウの前に立ち塞がる姿は、非常に魅力的でした。
【魅力2】強敵(トモ)という言葉
北斗の拳は、全編を通じて常に強敵と言う言葉がでてきます。
実際には強敵と書いて、トモと呼ばせます。
生死をかけた戦いを繰り広げる中で、男同士が共鳴し、分かり合う姿を表しています。
そして、主人公のケンシロウは、強敵との戦いの中で自分自身が強くなり、救世主としても成長していく姿がよく伺えます。
伝承者となった頃は、非常に甘い人柄であった主人公のケンシロウが、数多の戦いの中で成長を続け、世紀末救世主として人類を導くまでの姿は、何度読み返しても素晴らしいと思います。
【魅力3】戦闘シーン
当時は、北斗の拳の戦闘シーンは問題になりました。
特に、ゴールデンタイムに、アニメーションで過激な北斗神拳による人間が死んでいく様は、倫理的にも問題があると言われたものです。
しかしながら、過去にないだけあって、その後の戦闘漫画にも、その様子は生かされたと個人的には考えています。
そして、武器を使うことなく、素手で戦いや男同士の様子をこれだけわかりやすく描いた作品は、他にはないと思います。
【魅力4】ストーリー性の高さ
主人公のケンシロウの永遠のライバルであるラオウ。
その強さにおいては、ケンシロウを凌ぐことは間違いなかったのですが、暴力と殺戮の荒野を収めるために、あえて自分自身が拳王となり、力で世紀末を収めようとします。
個人的な感想ですが、暴力の荒野を収めるためには、暴力を持って収めるしか手段がなかったことをラオウはわかっていたはずです。
そして、その荒野を収めた後は、主人公のケンシロウのように、愛を持つ正しく世紀末救世主に自分が倒されて取って代わられることを願っていたのではないかと思います。
実際に、自分自身が小学生の頃に読んでいた頃は、ここまでは読み切れませんでした。
しかしながら、何度も年齢を重ねるごとにこの作品を読んでいると、上記のようなことがおぼろげに見えてきます。
これだけのストーリーを兼ね備えた作品に出会えて、私自身は非常に幸せだと思います。
まとめ
いかがでしたか。
北斗の拳は、連載終了後も映画化や関連した作品が多く制作されています。
いずれも秀作であり、読むに値するものです。
これからも、北斗の拳に関する作品をどんどん出していって欲しいと思います。