パンやうどん、お好み焼きにピザ。
いろいろな食品で使われている小麦粉。
そんな身近な小麦粉ですが、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。
今回は「へえ~」と思える小麦粉のあれこれをご紹介します。
強力粉と薄力粉は何が違う? ~小麦粉の種類~
同じ小麦粉なのに、いろいろな呼び方があって複雑ですよね。
それぞれに、どんな違いがあるのでしょう。
強力粉
タンパク質(グルテン)の割合が11.5~13.5%。
パンやラーメン、餃子の皮に使われる。
中力粉
タンパク質(グルテン)の割合が8.5~10.5%。
お好み焼きなどの粉ものや、うどんに使われる。
薄力粉
タンパク質(グルテン)の割合が7.0~8.5%。
天ぷらやお菓子など、幅広い料理に使われる。
全粒粉
小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもの。
パンやビスケット、シリアルに使われる。
セモリナ粉
パン小麦とは別の小麦の一種。
デュラム小麦から精製。
パスタなどに使われる。
メリケン粉
明治時代に、小麦粉が輸入される際、国産とアメリカ産を区別するために名づけられた。
うどん粉
メリケン粉に対して、国産小麦の小麦粉をうどん粉と呼称した。
中力粉に、分類される。
天ぷら粉
家庭では、薄力粉に水と卵で作れる。
市販のものには小麦粉、卵を粉状にした卵白粉や卵黄粉のほかに、ベーキングパウダーなども入っている。
強力粉、中力粉、薄力粉の違いは、タンパク質(グルテン)を含有している割合。
グルテンは粘り気の元で、グルテンの割合が多いと粘り気が強くなります。
つまり、粘り気の強いのが強力粉、弱いのが薄力粉、その中間が中力粉なのです。
パンやうどんの他にも「粘土」も? ~小麦粉の用途~
やはり身近なのは、パンやうどん、ラーメンなどの麺類ですね。
それから、天ぷらの衣、カレーなどのルー、お好み焼き、ケーキ、ドーナツ、餃子の皮・・・・などなど。
思いつくだけでも、様々な用途があります。
ちょっと意外なのは、お麩。
小麦粉から出たグルテンを使って作られます。
他にも、小麦粉から作るでんぷんのりは、障子の張り替えや手芸の接着剤として使われます。
最近よく見かけるようになった小麦粉を使った粘土は、家庭でも簡単に作ることができます。
材料は、小麦粉と水を3:1程度の割合で混ぜ、油と防腐剤の代わりに塩少々を加えて、こねれば完成。
お子さんと一緒に作って楽しんでみるのもいいですね。
食用の着色料を混ぜて色を付ければ、カラフルにできますし、万が一、口にしても安全です。
実は人類とは長い付き合い ~小麦の歴史~
麦は、人類最古の作物の1つで、約1万年前には麦の栽培が始められていたそうで、各地の遺跡からは、なんと麦の穂や粒が発見されています。
小麦の起源は、メソポタミア地域(現在のイラク周辺)といわれ、当時は小麦の粒を炒ったり、おかゆにして食べていたそうです。
パンも食べられていたそうですが、当時食べられていたのは、現代と違い、小麦粉と水を混ぜて焼いた平焼きのパンでした。
ふっくらした発酵パンが登場したのは、古代エジプトといわれ、たまたま野生の酵母が付着して発酵したパン生地を焼いたら偶然できた、とする説が有力のようです。
小麦以外の麦には、下記のような種類があります。
どれも、人類とは5000年以上の長い付き合いのある穀物です。
大麦
ビール、焼酎、ウィスキー、ウォッカ、麦茶、麦味噌などに使われる。
麦ごはんで使うのも、大麦の一種。
ライ麦
パンの他に、ウィスキー、ウォッカにも使われる。
オーツ麦
燕麦(えんばく)とも呼ばれ、オートミール、グラノーラに使われる。
ハトムギ
お茶やシリアルに使われる。
名前に「ムギ」がつくが、小麦や大麦よりも、ススキやトウモロコシに近い種類。
まとめ
身近なのに意外と知らない小麦のお話、いかがだったでしょうか。
私たちの生活とは切り離すことのできない小麦への理解が、少しでも深まれば、より豊かな食生活が送れるのではないでしょうか。