現在の日本では、4つのメーカーから大型トラックが発売されています。
物流の根幹を支える輸送の最前線にて日々活躍している、日野、いすず、三菱ふそう、UDトラックスのフラッグシップたる大型トラックたちを、年表と画像を用いてご紹介します。
今回は、2010年前後のご紹介となります。
日野 プロフィア(初代)
2003年10月、11年半ぶりとなるフルモデルチェンジを実施しました。
エンジンは新短期排出ガス規制に適合し、トラクター系を含めて全車直6インタークーラー付ターボとなりました。
グランドエアロテックキャビンと呼ばれるキャビンを搭載しているため、デコトラファンなどからはグランドプロフィアと呼ばれることもあります。
ハイマウントキャブが標準となり、デザインもハイマウントキャブを前提にしたものとなっています。
ただし、ドア下のフェンダーやバンパー上のスペーサーを省略することにより、ローマウントキャブにできる構造になっています。
タンクローリーや消防車向けに使用されています。
出典:カービュー!
2010年4月、平成21年排出ガス規制に適合し、DPRと尿素SCRシステムを組み合わせたクリーンディーゼルシステム「AIR LOOP」を導入しました。
また、22.5インチホイールが、JIS方式8穴タイプから、ISO方式10穴タイプに変更(19.5インチホイールは8穴タイプ)となっています。
出典:トラック買取の裏ワザ!
いすゞ ギガ(初代)
出典:カメイジャパン
1994年11月、810シリーズ後継として登場しました。
カーゴ用のハイウェイキャブ、ダンプ用のオフロードキャブ、そしてトラクタには専用のグリルが用意され、3つの顔で登場しました。
特にハイウェイキャブは、国産トラックで初めてバンパーライトを標準装備した斬新なデザインで、それまで特殊車両用のイメージが強かったバンパーライトを普及させました。
キャブは、空力特性と余裕の室内空間を両立したキャブが採用され、ラウンディッシュスクエアキャブと呼ばれています。
インパネもいすゞのトラックで、初めてラウンドタイプのものが採用されました。
1995年には、セミトラクタ、全輪駆動車を追加しました。
セミトラクタは、フロントパネルが専用のメッキモール装備となり、モール内側の部分はガンメタで塗装されています。
1997年には、セミトラクタ、及びギガマックスのフロントパネルのグリルが、8つに分かれた形状となりました。
また、オフロードキャブ・セミトラクタのフロントグリルが変更され、ディスチャージヘッドライトが装着されました。
出典:カービュー!
2000年には、ハイウェイキャブのフロントパネルのグリルが逆台形のデザインになりました。
出典:カービュー!
2003年6月には、速度表示灯が削除されました。
出典:トラック王国
2005年8月には、1、2型の低キャブ車用フロントバンパーを再利用し、新規部品のスペーサーを上部に装着するかたちで、フロントバンパーが変更となっています。
また、オフロードキャブが廃止となりました。
出典:カービュー!
2007年3月には、フロントリッドのグリルデザインを「6キューブ」と呼ばれるものへ変更しました。また、フロントウインドウ直下の黒帯がなくなり、「GIGA」ロゴが新デザインになりました。
また、全車キャブの高さが統一され、低キャブ仕様は廃止となりました。バンパー上部のガーニッシュは、ブラックからグレーに変更しました。
出典:カービュー!
2010年5月には、ビッグマイナーチェンジを実施しました。
出典:カメイジャパン
日野と共同開発した尿素SCRシステムにDPDを組み合わせ、平成21年排出ガス規制に適合しました。キャブはフロントグリル面積を拡大しエンジン冷却性能を高め、ヘッドライトをフォワード増トン仕様車と同一の物に変更しました。
また、22.5インチホイールが、JIS規格8穴タイプから、ISO規格10穴タイプに変更されました。
出典:トラック1バン
三菱ふそう スーパーグレート(初代)
出典:カービュー!
1996年6月、13年ぶりに、ザ・グレート後継としてフルモデルチェンジしました。
イメージキャラクターには当時、浦和レッズの司令塔だったギド・ブッフバルト起用し、CMソングにはマリーンの「Mr.ドリーム」が起用されました。
前期型は、標準高キャブ仕様と低キャブ仕様がありました。
標準高キャブ車はフロントバンパーの上部の桟が太く、低キャブ車はフロントバンパーの上部の桟が細い物を装備していました。
ザ・グレート譲りながらも今までの国産車になかった、より本格的な造りのラウンドコックピットや、高キャブ仕様の設定、SRSエアバッグシステム、運転注意力モニター、また、普通車を含む日本初となるディスチャージヘッドランプなど、国産大型トラック初採用の装備が多かったのも特徴でした。
キャブデザインは、安全窓の処理などがファイターに似ていますが、大型らしく、より一層角ばった迫力のあるデザインとなり、ラウンドキュービックフォルムと呼んでいました。
この基本的デザインは、フロントパネルの変更などはあれ、最終モデルまで変更ありませんでした。
2000年には、マイナーチェンジを実施しました。
ミラーが、スーパーグレートの特徴でもある、大型のスーパーミラーになりました。
出典:カービュー!
全車キャブの高さが統一となり、低キャブ仕様が廃止されました。フロントバンパーは上部が細い低キャブ用を流用し、上部に黒いガーニッシュを全車に装着しました。
2003年 5月には、大幅マイナーチェンジを実施しました。
出典:カービュー!
外観では、速度表示灯が廃止され、キャブサイドにマーカランプを新設しました。低床車以外にオプションとして、ISO規格10穴タイプのホイールを設定しました。
2005年10月には、灯火や安全基準などの保安基準の変更に対応するために、エクステリアのデザインを見直したモデルを発売しました。
出典:カービュー!
トラクタにスーパーフルキャブを設定しました。
スーパーフルキャブの特徴として、フロントグリルを1段追加して3段となりました。ヘッドライトのある段のグリルは、ブラックアウトされ、スリーダイヤが装着されました。フロントバンパーは標準高キャブ車用を流用したため、バンパー上部にガーニッシュはありません。
出典:カービュー!
2007年4月23日には、大幅マイナーチェンジを実施しました。
出典:Response
エクステリア/インテリアデザインを一新し、日産ディーゼル工業(現:UDトラックス)から尿素SCRシステムの供給を受け、平成17年排出ガス規制適合しました。
フロントデザインが大幅に変更されて、それまでのキャブライトからバンパーライトに変更されました。また、内装も大幅に変更されてインパネの形状まで変更され、エンジンも変更されるなど、フルモデルチェンジ並みに変化しました。
2010年4月22日には、マイナーチェンジを実施しました。
出典:e燃費
尿素SCRシステムは、UDトラックス製からダイムラーグループの「BlueTec」に変更しました。エンジン変更に伴って、キャブが70mmかさ上げされました。(スーパーフルキャブ・ショートキャブは変わらず)
また、標準装備される22.5インチホイールが、JIS規格8穴タイプから、ISO規格10穴タイプに変更となりました。(19.5インチホイールは8穴タイプ)
2014年5月には、マイナーチェンジを実施し、スーパーグレートVに車名を変更しました。
出典:コマモANNEX
「V」には、5世代目のスーパーグレートの他、燃費やパワーでVictory(勝利)を獲得するという意味も込められています。
外観では、フロントグリルの枠やバンパー下部が、ライトメタリックブルーとなっています。
主な改良点は6R10型エンジンを改良し、従来型と比べ燃費を5%向上させたことです。国内初のアシンメトリックターボも採用しています。
UDトラックス クオン(初代)
出典:wikipedia
2004年11月、15年ぶりに、ビッグサムがフルモデルチェンジして、クオンとなりました。
発売後約3ヶ月間は、ビッグサムとの併売でした。
大型トラックで世界初の尿素SCRシステム「FLENDS」を搭載し、いち早く平成17年排出ガス規制に適合しました。
2004年6月、トラクタをフルモデルチェンジしました。
2010年2月には、「UDトラックス」への社名変更に伴い、エンブレムなどの意匠を一部変更しました。
出典:カービュー!
2010年4月には、マイナーチェンジを実施しました。
ホイールが、JIS規格8穴タイプから、ISO規格10穴タイプに変更され、ショートキャブ車は廃止されました。
ドアウィンドウ周りと、フロントウィンドウ下部のブラックアウト塗装が省略されました。
出典:オートックワン
2014年5月には、一部改良を実施しました。
フロントグリルがグレーになり、バンパー形状が一部変更となりました。また、ミリ波レーダー取付位置がナンバープレート上部に変更されました。また、助手席側ウィンドウ下部に「Quon」の車種エンブレムが装着されました。
出典:UD Trucks 公式