江戸時代から現在まで伝承される伝統的な話芸である「落語」。
そして、その落語を演じることを生業とする「落語家」。
皆さんは、英語を使ったユニークなオリジナル落語で、日本国内はもとより世界を舞台に活躍しているカナダ出身の落語家「桂三輝（サンシャイン）」さんをご存知でしょうか。
今回は、その唯一無二の落語家「桂三輝（サンシャイン）」さんをご紹介します。
「桂三輝」さんとは
カナダ出身の落語家で、英語を使ったユニークなオリジナル落語で日本国内はもとより世界を舞台に活躍しています。
カナダオンタリオ州トロント生まれで、現在は活動の拠点をニューヨークに置いています。
「桂三輝」と表記して「桂サンシャイン」と読むなど、名前からしてユニークですが、師匠は桂文枝さんであり、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属しています。
今年で53歳を迎え、出生地はカナダのオンタリオ州トロントです。
両親はスロベニア人ということで、家族構成もユニークで、トロント大学在学中に古典演劇を専攻し、その後、カナダの大学院在学中に劇作家や作曲家として、初ミュージカル作品の「Clouds」を制作しました。
この作品は、トロントの劇場で15か月間のロングラン公演となり、カナダ人制作のミュージカルとしては最長記録となるほどの人気です。
「来日」してから
日本に興味を持ったきっかけは、日本の伝統芸能である「能」で、1999年に来日した後、偶然出会った「落語」に一目ぼれし、2003年から「カナダ亭恋文」や「楽喜亭三陀」を名乗って、アコーディオン漫談や英語落語で活動を始めました。
その後、2007年に大阪芸術大学大学院芸術研究科に入学し、相羽秋夫のもとで創作落語を研究し、翌年の9月1日に桂三枝に弟子入し「桂三輝」と命名されました。
初舞台は2009年、カナダで英語落語で行われ、上方落語会初の外国人噺家として、落語の修業をすることになりました。
また、外国人のリー5世との漫才でM-1グランプリに挑戦したり、先輩落語家らの依頼で古典落語を英語に翻訳するなど、世界中に落語を広めたことでも有名です。
2011年11月からは、「あなたの街に住みますプロジェクト」で、三重県伊勢市の古民家に住み、改装して翌年の6月17日に寄席小屋の伊勢河崎輝輝亭にしました。
世界に向けて「日本文化を発信」
2013年、生まれ故郷のカナダ大使館において、カナダ文化大使に就任し、その後、8月から10月にかけてアメリカやカナダで巡回公演を行いました。
翌年7月からは、7か国で39公演を行うワールドツアーを開催するなど、活躍の場を広げ、2015年には、日本スロベニア親善大使に就任するなど、国際交流に貢献しています。
2017年には、ロンドンにあるレスタースクエアシアターで、3週間の落語ロングラン公演を行い、ニューヨークにあるソーホープレイハウスでも、3週間のロングラン公演を達成しました。
修行が終わった後は、英語やフランス語を駆使してワールドツアー公演を始め、5年で5大陸15ヵ国を制覇（※）して、世界に向け日本文化を発信し続けました。
（※）アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、オーストラリア、シンガポール、スリランカ、香港、タイ、ネパール、ガーナ、セネガル、ガボン、南アフリカ
「テレビ出演」や役職は
「カナダ人落語家桂三輝が歩くお伊勢参り～日本人の心って何ですか？」は朝日テレビで放映され、カナダ人として伊勢神宮を参拝して、日本人の心を学んでいることを伝えています。
NHKの番組（Cool Japanや高校講座英語I、West Wind）では、英語を面白おかしく教えるなどユニークなキャラクターを生かしていることが特徴です。
他にも日本テレビ「笑ってこらえて」や、NHKWorld「Train Cruise」、NHK「さらさらサラダ」、NHK WORLD「Dive into Ukiyo-e」など、多数の番組に出演しています。
役職は、在日カナダ商工会議所で文化大使や三重県観光キャンペーンでPR隊長、日本スロベニア親善大使があり、日本とカナダ、スロベニアを股にかけて活躍しているなどユニークです。
まとめ
いかがでしたか。
桂三輝と書いてサンシャインと読むなど名前からしてユニークですが、カナダ生まれながら両親はスロベニア人ということで特異なキャラクターです。
また、桂文枝さんに弟子入りし日本の伝統や文化を世界に向けて発信し、ユニークながら精力的に活動することでも人気があります。
今後の活躍にも期待したいです。
