みなさん「畑のフェラーリ」をご存知ですか?
↓これがその「畑のフェラーリ」と呼ばれる、フェラーリの新型車です。
すみません。嘘です。
どのメーカーも、ほとんどが赤い色のボディで非常に高価なことから「畑のフェラーリ」との別名もある「スピードスプレーヤー」と呼ばれる農薬散布機です。
今回は、この「スピードスプレーヤー」をご紹介します。
スピードスプレーヤーの仕組み
スピードスプレーヤーは、りんご農家やブドウ農家など、広い農地で農作業をしている方々が農薬を散布する際に使用する小型の自走式農薬散布機です。
主に、アメリカで急速に普及し、広大な農地に広く農薬を散布し害虫を駆除する名目で開発されたマシーンです。
スピードスプレーヤーのしくみとしては、大きなファンを装着した自走可能なゴーカートほどの大きさの車に、農薬を水で薄めた物を、ファンから出る風の力を利用し遠くまで農薬を霧状に散布します。
ポンプでくみ上げて霧状に噴射することで、遠くまで農薬を散布することが出来るため、手作業で農薬を散布するより、はるかに効率的に散布することができると言う点が、スピードスプレーヤーを使用するメリットになります。
出典:やまびこ営業部
ですが、農薬を散布する際、防護服を着用して散布をしないといけない点は同じで、防護服を着ないで作業をしてしまった場合は、大量の農薬を浴びます。
しかし、日本のスピードスプレーヤーの中には、自動車のような構造で扉と天井があり、エアコンを装備しているスピードスプレーヤー(共立製)も存在しています。
共立のスピードスプレーヤ(SS)、後ろはかっこいいけど、前から見るとすごく残念・・・
絶対前の型の方がいい笑笑まあ、米農家だからSSは関係ないけど笑#スピードスプレーヤ #共立 #やまびこ pic.twitter.com/gejG0YUy1E
— 林農産(尚さん 農業・機械垢) (@hayashi_agr) 2016年11月18日
このような、農薬を浴びない構造でかつ、夏場の暑い時期の作業を快適に出来るように工夫された製品もあるため、一概に防護服を着用しなければならないという訳では無くなりつつあります。
主な製造メーカーは3社
スピードスプレーヤーの基本的な構造としては、ゴーカートの形をしているものが多く普及しています。
製造しているメーカーは、日本の場合ですと、やまびこ(共立)、ショーシン、丸山製作所などがあります。
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4つのタイヤで前進して、農薬をポンプでくみ上げ霧状にして、後部に搭載されているファンで飛ばすことで農薬を散布する方式は、どの会社にも共通しています。
また、エンジンのパワーで自走をすることも共通しています。
一部、メーカーによっては、4輪ではなく3輪であったり、キャタピラーで自走する製品もありますが、コンセプトとしては大きな違いはありません。
↓↓【共立】多彩なラインナップを誇っています!!
出典:株式会社やまびこ
↓↓【ショーシン】こちらも三輪までそろえた豊富なラインナップ
出典:ショーシン
↓↓【丸山製作所】丸山の場合は、ステレオスプレーヤというそうです!!
出典:丸山製作所
駆動方式は多彩
開発当初のスピードスプレーヤーは、後輪のみの駆動方式で、どちらかと言うとトラクターに近い駆動方式でした。
しかし、ぬかるんだ場所での作業や、凸凹な土壌、前輪が埋まってしまう柔らかい土の上を自走する際には、後輪駆動だけでは十分にスピードスプレーヤーの性能を発揮できないと言う問題が起きたため、近年では4輪駆動方式のものや、キャタピラー方式の駆動方式が登場しています。
また、発売当初のスピードスプレーヤーは、自走するためのエンジンと、ポンプを駆動するためのエンジンが別々にあり、重たいためスピードスプレーヤーが埋まってしまう、と言う問題も起きていため、4輪駆動方式が生まれたとされています。
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近年のスピードスプレーヤーは、エンジン一つで自走とポンプを動かすことができ、軽量化されたため、埋まり難くはなりましたが、それでも、ぬかるみや凸凹した道に対応するため4輪駆動が普及しています。
まとめ
いかがでしたか。
このように、農作業に便利なスピードスプレーヤーですが、日本では、公道を運転する場合には普通運転免許が必要となります。
アメリカでは免許が必要ではないため、混同しないようにしましょうね。