生体認証の一種「静脈認証」とは? ~メリットデメリット/指紋認証との比較・違い/ヘモグロビン/方法・原理/システムの仕組み/手のひらは富士通・指は日立が開発~

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最近よく耳にする「静脈認証」というフレーズ。

金融機関を始め、パソコンのログオンやスクリーンロック解除など、急速に広まっています。

そんな「静脈認証」に迫ってみます!!

「静脈認証」は「生体認証」の一種

情報の漏洩防止や不正なアクセスを防ぐためには、個人の「なりすまし」を防止することが重要です。

その最善の対応として、いま注目されているのが生体認証(バイオメトリクス認証)です。

生体認証は、人間の身体的特徴を用いて個人を識別する認証方式で、下記のようなさまざまな認証方法があります。


出典:日立ソリューションズ

そもそも静脈認証は生体認証の一種であり、身体を網のように走る静脈のパターンを使った認証方法です。

静脈も、指紋や虹彩と同じく非常に複雑で、同じパターンを持つ人間は双子の間にも存在しないといわれており、現在実用化されている技術の中でも誤認率が非常に低い技術です。

それぞれの生体認証にも特徴があります。

代表的なのが指紋認証で、犯罪者の特定などに使用されています。

指紋認証は広く普及していますが、高齢者や激しいスポーツをする人、特殊な薬品を使う人などは指紋が薄くなる場合があり、全ての人を対象とすることが難しいとされています。

また、偽造が容易なため、高いセキュリティ性を必要とする用途には向いていないとされています。

現在、指紋や顔を使った認証方式が一般的ですが、最近注目されているのが、さまざまな業種で急速に広まっている静脈認証方式です。

静脈認証方式は、数ある生体認証の中でも、高い認証精度を誇っています。

静脈認証の仕組み

人間の血中には、酸素の運搬に重要な働きをするヘモグロビン(赤血球中に含まれる蛋白質)があります。

これは、動脈を通る際には「酸化ヘモグロビン」として酸素を身体の隅々まで運び、運び終わって静脈を通る際には「還元ヘモグロビン」となって肺に戻ります。

この「還元ヘモグロビン」には、近赤外線を吸収する性質があります。

静脈認証では、静脈内を流れる血液中の「還元ヘモグロビン」が吸収する、特定の波長(760ナノメートル前後)の近赤外線をあてて指を撮像し、静脈パターンを抽出します。

この静脈パターンを、あらかじめ登録している静脈パターンと照らし合わせることで、認証を行ないます。

静脈パターンは人によってそれぞれ異なり、加齢による変化などもないため、あらかじめ登録してある静脈パターンと照合することによって、誤認率の極めて少ない本人確認ができるという仕組みとなっています。

静脈は血管という人間の体内にある組織なので、簡単に他人に知られることがないため、指紋認証での「偽造された指」のようなリスクが極めて少ないのが特徴です。

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静脈認証の特徴

静脈認証技術には、下記のような特長があります。

  • 双子等であっても静脈パターンが異なるので、基本的に誤って認証することがない
  • 身体の表面ではなく内部にある静脈を使用するため、偽造やなりすましが困難
  • 静脈の細部の形状を盗み見たり推測するのが難しい
  • 認証時に触れたものに静脈の痕跡が残らない
  • 基本的に経年変化(消えたり形状を変えたり)することがない
  • 体調や気候による静脈パターンの大きな変化がない
  • 皮膚の表面に荒れ、発疹、ひび割れなどがあっても利用可能
  • 一度登録した静脈パターンを登録しなおす必要がない
  • 手や指を置く(かざす)だけなので、心理的抵抗感が少ない

出典:モフィリア

静脈認証の種類

静脈認証の種類は、「指による認証」と「手のひらによる認証」の2つです。

出典:日立ソリューションズ

手のひら静脈認証は、富士通が開発しました。

非接触型であるため、装置に手をかざすという誰にでもできる簡単な動作で個人認証が出来るのが大きな特徴です。

また、装置に触れることなく認証ができるので、抵抗感が少なく衛生的である点も特徴です。

指静脈認証は、日立製作所が開発しました。

指の上から近赤外線を照射して透過させ、その結果得られた静脈パターンを指の下にあるCCDカメラで読み取る方式です。

指紋認証と静脈認証の違い

指紋認証と静脈認証との大きな違いは、指紋認証が身体外部にある特徴を利用するのに対し、静脈認証は身体内部にある指静脈パターンを利用するところにあります。

身体内部の特徴を利用するため優れた認証精度となっていて、指紋認証と比較しても偽造や改ざんが困難なため、より高度なセキュリティを実現することができます。

出典:日立ソリューションズ

また、接触することなく読み取ることが可能なので、機械に触れなければならないという不快感も少なく、また「指紋=犯罪」という心理的な抵抗感もなく使用できることがメリットです。

まとめ

いかがでしたか。

静脈認証は身体の内側にある特徴を利用するため、環境に左右されることなく、常に一定の精度を得ることができる認証方法の一つとなっています。

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