テレビをつけると、必ずと言っていいほど「お笑い芸人」を目にすると思います。
番組の盛り上げ役として、欠かせない存在ですよね!
人によっては、普段からふざけてばかりいるように見えてしまうかもしれません……
なんて楽な仕事なんだ!
と思ってしまう人、はっきり言います。
それは間違いです。
「お笑い」は意外と奥深いものです。
今回は皆様に、笑いの見方が何倍も面白くなるように、お笑いの世界の基本的テクニックを2つほど簡単に説明したいと思います。
「間(ま)」 ~高度な芸になればなるほど光る!笑の起源にして最重要テクニック~
間(ま)というと、日常会話でも、みなさんは良く耳にすると思います。
「間にあう」とか「間が悪い」とか、時間とか雰囲気とか、いろいろな意味がありますよね。
笑いに関して「間」と言ったときは、だいたいが言葉と言葉の間のことを言います。
簡単にいえば、ボケに対して「なんでやねん」と、ツッコミを入れるタイミングのことを指します。
この「間」は、お笑いにとって命であり、人によってはコンマ数秒の違いですら気にして、コンビ喧嘩をする人もいるくらいです。
ここまで書いてもイマイチぴんとこない方は、好きな芸人さんの漫才やコントを自分で再現してみてください。
タイミングひとつ違うだけで、なんだか違った雰囲気……
要は、まったくおもしろくないことがわかると思います。
実は、この間(ま)は掛け合いの中で生じるだけでなく、芸人さんが一人で喋る、いわゆる「フリートーク」にも隠れています。
状況説明から、どんなことを説明して、どんな話でオチをつけるか、その話と話のリズム、言葉のタイミング、それら全てが「間」といえます。
「間」に着目してお笑いをみてみると、芸人さんの高度なテクニックが垣間見えると思います。
「天丼(てんどん)」 ~繰り返しの妙!あの天才が得意とするフリ・オチの高等テクニック~
全く面白くもなんともない言葉でも、繰り返し言われると、なんとなく面白く感じてきてしまった経験はありませんか?
たとえば、担任の先生がやたらと「あのー」って言うなぁ……と気になり始めたら、次の「あのー」が何故か面白く感じてしまう、現象です。
この繰り返しの妙によって、生み出される面白さのテクニックが、天丼(てんどん)と呼ばれるものです。
食べ物じゃありません。
このテクニックの背景には、フリ・オチというお笑いの基本的な構造が隠れています。
フリ・オチとは、あるオチ(おもしろい部分)を際立たせるために、フリと呼ばれる前置きがあるお笑い構造のことをいいます。
フリがなければ、オチは十分に輝きません。
フリ・オチの最も単純な例として、ダジャレがあります。
「ふとんがふっとんだ」が、笑えるかどうかは置いといて、「ふっとんだ」というオチを際立たせるために、同じ音をもつ「ふとん」をフリとして用いています。
「ふっとんだ!」といきなり言われても、意味不明すぎて困りますよね?
つまり、オチに意味を持たせる、という役割もフリは担っているわけです。
さて、天丼の話に戻ります。
天丼とは、フリ・オチにさらにフリ・オチをかぶせるもの、と表現するのが適切でしょう。
しかも、用いるフリ・オチは全く同じものです。
すでに一回笑いを起こしたフリ・オチを、話の流れで再利用することで、さらなる笑いの増幅をもたらすテクニックです。
この手法を得意としているのは、皆さまご存知、天才・ダウンタウン松本人志です。
彼のトークの中には、必ずといっていいほど天丼の構造が隠れています。
また、彼は頭の回転が非常に速いので、他人のトークの中でも、この天丼を炸裂させることができます。
まとめ
いかがでしたか。
「間」と「天丼」
普段ふざけてばかりに見える芸人さんも、意外と奥深い笑いの中で生きています。
ちょっただけでもよいので、敬意を持って芸人さんを見てみてください!